2025年3月から美女コンで「山田耕筰童謡100全部歌うプロジェクト」を進めています。きっかけはピアニストの近藤陽子ちゃんからご紹介いただいたこと。ほぼ知らない曲ばかり。毎回新曲に取り組むのはとても楽しいことです。
さて、そんな先日、次回の山田耕筰作品に取り組んでいた時のこと。言葉へのこだわりの強い西野真理が調べた言葉がありました。
「ぬくめどり」
です。「日永(ひなが)」という北原白秋の詩に出てきました。
卵はおっとり 殻の中
雛(ひよこ)のあたまをまろめてる。
雛のあたまはまろめられ、
お眼々をあけよと待ってゐる。
お眼々をあけよと 待つ雛、
雛の親鶏(おやどり) ぬくめ鶏。
雛の親鶏 ぬくめ鶏、
日向(ひなた)をまじまじながめてる。
その「ひよこの親鳥 ぬくめどり」という部分。
「ぬくめどり」という言葉は初めて聞きましたが、文脈から、親鳥が卵を温めている、その状態の親鳥のことを言っているということは想像がつきます。でも万一ということもあるので、「ぬくめどり」でネット検索しました。するとこんなことが書かれていました。
「ぬくめどり(温め鳥・暖鳥)」とは、冬の寒い夜に鷹が小鳥(主にスズメなど)を捕まえて掴み、その羽毛で自分の冷たい足を温めるという冬の伝承・季語です。
鷹は翌朝になると小鳥を逃がしてやります。
すると助けられた小鳥は飛び去り、鷹はその日は小鳥が去った方向には狩りに行かないという言い伝えがあります。
この言葉は冬の情景として、正岡子規などの多くの俳人に愛されてきた季語です。
小原古邨(おはら こそん)の代表作の一つ『鷹と温め鳥』
小原古邨(おはら こそん)の代表作の一つ『鷹と温め鳥』
※1877年(明治10年)2月9日-1945年(昭和20年)1月4日)は、明治時代から昭和時代にかけての日本画家・木版画の下絵師。祥邨(しょうそん)、豊邨(ほうそん)の号も持つ。
そんな意味があったんですね。でも、文脈から考えるとそうではない気がします。そこで改めて今度は私の仲良くしているAI Geminiちゃんに質問してみました。
すると
一般的な辞書で「ぬくめどり(温め鳥・暖鳥)」を引くと、真っ先に出てくるのは「冬の寒い夜、鷹が小鳥を捕まえて足元を温め、翌朝には食べずに放してやる」という、少し切なくも奇妙な鷹匠の言い伝え(冬の季語)です。
しかし、白秋のこの詩においてその解釈を当てはめると、あまりにも不気味で不自然になってしまいますよね。ここでの「ぬくめどり」は、もう一つの、そして本来のとても温かい意味で解釈するのが正解です。
実は「ぬくめどり」には、古くからもう一つの意味があります。
② 親鳥がひなを羽の下に入れてあたためること。また、その親鳥やひな。
(『コトバンク』等より)
白秋はこの詩の中で、おどろおどろしい「鷹の足温め」の伝承ではなく、文字通り「ひなを温めている親鳥」、あるいは「お互いにぬくもり合っている鳥の親子」という、情愛に満ちた意味でこの言葉を使っています。
ということで、調べなくても自分の最初に解釈したことでよかったわけです。でもおかげで「ぬくめどり」について知らなかったもう一つの意味が知れて、とても得した気持ちになりました。
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