月 フェルマーの最終定理書き起こし・読書感想(中田敦彦のYouTubeチャンネル)2022年8月26日

フェルマーの最終定理感想(中田敦彦YouTube)3 2022.8.26

~中田敦彦YouTube大学「フェルマーの最終定理」視聴と

     サイモン・シン著「フェルマーの最終定理」読書後の感想

     ・・・というか、西野真理がとても気になった部分のご紹介~


・中田さんのYouTube大学は大変面白く、書き起こしただけでは足りなくなってFMでお話をし、また、実際にこの本を購読した。

・中田さんのチャンネルでは詳しく語られていなかった部分に付いて以下に記す。

・皆さんにもぜひこの本を手にとって頂きたい


<まずは、あとがきから読むことをおすすめ>

・ある意味あとがきにかなり感動した

・翻訳者・青木薫さんのこの本の寄せる情熱が伝わってくる

・青木薫さん自身も京都大学理学部で理論物理学を学んだ人


<青木薫さんのあとがきより>

①著者サイモン・シンについて

・物理学出身の人。インド系イギリス人

・物理学からテレビの世界に移り、本書をまとめたのをきっかけに作家生活に入った

・テレビの世界で鍛えられた、サイモン・シンは一般読者に理解してもらえる記述をすることに骨身を削っている。

・実際、本書には難解なことは何一つ出てこないにもかかわらず、ワイルズが何をやろうとし、どういう道筋をたどったかが鮮やかに見えるようになっている。

・専門的な数学を事細かに説明せずとも、数学上の業績の偉大さをこれだけ説得力をもって訴えうるというのは、たいへんな力量である。

・フェルマー関係の本は数多く刊行されているけれども、〝フェルマーの最終定理〟の証明が数学全体にとってどういう意味をもつのかをドラマティックにわかりやすく描いているという点で、本書の面白さは群を抜いている。

・本書の書き方で私が好感をもったのは、日本人研究者と女性研究者の取り扱い。地理的に離れているせいもあってか、西洋の著者は日本人の業績をしかるべく取り上げない傾向がある。しかし本書は違う。谷山=志村予想はワイルズ の仕事の目標そのものだからこれを取り上げるのは当然としても、谷山さんの 残念な死、志村先生の尽力、それに当時の社会状況などが生き生きと描かれ ていて、日本人にとっても興味深い記述となっている。また、女性研究者の取 り上げ方も並々ならぬ好意的な(というより、正当な、と言うべきか)もので、同性として嬉しく思った。こうしたマイノリティ(人種、性別)への視線は、著者のサイモン・シンがインド系イギリス人であることと関係があるかもしれない。


<アラン・チューリングのこと>

・中田さんのチャンネルでは彼のことはとり上げられていなかった。なぜなら、彼の功績も また大きすぎて、ここに取り上げると、アラン・チューリングのお話のように鳴るからだ と私は想像している。

・アラン・チューリングはドイツが使用していた、エニグマ暗号機を利用した通信の暗文を 解読する(その通信における暗号機の設定を見つける)ための機械bombeを開発した人。「人工知能(AI)の父」とも言われる

・戦後、チューリングが同性愛者であることに気づいた英国情報部は、彼をつねに監視するようになっていた。イギリスの暗号を熟知するチューリングが、その性向をタネに脅迫されることを恐れたのである。

・チューリングはつねに尾行され、1952年、同性愛禁止法に触れて逮捕される。そのときに受けた屈辱のために、チューリングの人生は耐え難いものになった。

・ホルモン治療も受けさせられたりして、チューリングは立ち直ったように見えていたが、1954年亡くなった。検死の結果は自殺だった。41年の生涯だった。

 以下はWikipediaで調べた内容

・2009年8月、アラン・チューリングを同性愛で告発したことへ謝罪するよう請願活動がはじめられ、イギリス首相のゴードン・ブラウンはこの請願を認め、2009年9月10日に政府 として正式な謝罪を表明し、当時のチューリングの扱いを「呆れたもの(appalling)」と表 現する声明を発表した。


<ソフィー・ジェルマンについて>

・ソフィー・ジェルマンの功績はフェルマーの最終定理を解くために大きな貢献をしたが、彼女の最も大きい功績は物理学者として〝弾性板の振動に関する研究〟という洞察に満ちた論文。

・この研究とフェルマーの最終定理に関する業績により、ジェルマンはフランス学士院からメダルを受け、会員の配偶者以外では初めて科学学士院の講義に出席 する女性となった。

・それなのに高名な数学者にしてフランス科学学士院の傑出した会員であった人物の死亡証明書を発行するとき、国の役人は彼女のことを、〝数学者〟ではなく、年金受給者〟と呼んだ。

・それだけではない。エッフェル塔が建てられたとき、技師たちはその資材の弾性に特別な配慮をしなければならなかったが、そびえ立つこの建造物に七十二名の学者の名が刻まれたとき、金属の弾性理論の確立に多大な貢献をした天才、ソフィー・ジェルマンの名はそこになかった。

・ジェルマンがこの七十二名から外されたのは、アニェシがフランス学士院の会員になることを拒否されたのと同じ理由からだろうか?つまり、女だからという理由で?どうもそういうことらしい。だとすれば、恥ずべきは、科学の発展にこれほど尽くした人間に対してそのような恩知らずの仕打ちをした人々であり、彼女の業績を踏み台にして羨むべき栄誉の殿堂入りを果たした人々である。


<ABC予想との関連  以下、この本には書いてないこと>

2020年4月。「abc予想」と呼ばれる数学の重要な未解決問題を、日本人が証明したというニュースが駆けめぐった。論文を書いたのは、京都大学数理解析研究所教授望月新一博士。世界的天才として知られてきた人物。博士の「宇宙際タイヒミューラー理論」。査読の完了と専門誌への掲載は、望月博士の偉業が、世界に正式に認められたことを意味した。ところが…望月の証明はまだ受け入れられないと主張する数学者が多数現れ、今も激論が続いている。


ABC予想が証明されたことにより、フェルマーの最終定理の証明はとても簡単になるそうです。






ABC予想が証明されたことにより、フェルマーの最終定理の証明はとても簡単になるそうだ


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