知人から聞いたお話です。
「息子のお嫁さんが『私の夢はお嫁さんになることだった。でも、友達と将来の夢は・・・なんて話をしているときに、恥ずかしくてとても自分の夢が『お嫁さんになること』だなんて言えなかった』って」
この息子さん夫妻には最近子供さんがお生まれになり、それを聞いて私は、働きに出るママにかわってこの知人がお孫さんを見なければいけなくなるのだとすぐに思いました。そこで
「お仕事は?」
と聞いたところ
「専業主婦なの」
というところから先程の「お嫁さんになるのが夢だった」の話になりました。
私自身は出産後たった7日の入院生活が耐えられなかったくらい、ずっと家にいるのが苦手だし、子育てや家のことは決して得意でも好きでもなく、いわゆる「お嫁さん」的生活には全く適さない性質の人間です。
また、世代的にも「男女雇用機会均等法元年」の就職で、しかも教員でしたから給与の違いもありませんし、さらに音楽教師でしかも歌の世界の人間なので女だから損をするという目にもあまりあっていない(気づかなかっただけ?)、かえって得してきた人生だったかもしれません。
でも、上野千鶴子さんや田嶋陽子さんの考えを否定するわけでもなければ、IKKOさんのようなジェンダーレスの方に対してもそれはそれでありと思っています。
ずいぶん話がずれてきましたが、そんな中、知人の息子さんの「お嫁さん」ですが、正直私には自分を「お嫁さん」と称する気は全く無く、何かあったときのために夫婦とも働いている方がいいんじゃないか、という考えを持っていました。
でも、このお話を聞いた時、社会で様々な考え方が認められるようになり、今まで否定されていた人たちのあり方がずいぶん自由になり始めた今、この
「お嫁さんになりたい」
という考えを否定する権利はどこにもないんじゃないかと気付かされると同時に、この「お嫁さん」が奥様であることや家事や子育てにこそ自分自身のあり方を見出していらっしゃることを感じ、先に書いたように、子育てや家のことが決して得意ではなかった自分とは違う生き方があることをすんなりと理解させていただきました。
なにかとてもあたたかな気持ちになったお話でした。
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