クロモンシロチョウとオジロワシ(「ゆる言語学ラジオ」より)2023年4月10日(日)

最近YouTubeの「ゆる言語学ラジオ」をよく見ています。それで先日見た動画がとても面白かったので、このブログをお読みくださっている皆様にもお伝えしますね。そして多分明日のFMでも喋ります。

この日の話題は
「連濁」
でした。
「連濁」とはWikipediaによりますと
「二つの語が結びついて一語になる(複合語)際に、後ろの語(後部要素)の語頭の清音濁音に変化する、日本語における連音現象をいう。「ときき」「いけな」などがその例である。
ということです。

さて、この連濁には濁りのルールがあります。同じ言葉でも連なっているのに濁るときと濁らない時があるのです。その例が
「クロモンシロチョウ」と「オジロワシ」
です。
両方「白」が使われているのに蝶の前の「白」は「シロ」のまま。「鷲」の前の「シロ」は「ジロ」と濁っています。
なぜならここにはルールがあるからです。
ここからの説明が私の文章力ではなかなかむづかしいのですが頑張ります。

まずここに出てくる「蝶」は「白蝶」つまり、白い蝶々です。その白い蝶々に「黒い紋」がある種類があるのです。「クロモンシロチョウ」と聞いた時、「黒いモンシロチョウ」と思ったら間違いです。よく思い出してみてください。春に菜の花畑を飛んでいる蝶々は何色ですか?白ですね。それに「黒い紋」がついているので、「黒紋 白蝶」なのです。
このように、すでに「白蝶」のように言葉がくっついてしまっているものが更に連続した場合、このときなら「黒紋」と「白蝶」を連続させた時は、それ以上濁らせてはいけません。「クロモンジロチョウ」とはなりません。

ここまで説明するともうおわかりでしょう。
「オジロワシ」
は「尾が白い」ことを表したいために「尾」と「白」がくっつき、その時点で連濁がおこって「オジロ」となっています。そこにさらに「鷲」がくっついています。ですからこの場合「鷲」そのものがは白かどうかはわかりませんが、とにかく尻尾は間違いなく白い鷲です。

では架空の動物で練習問題です。
「ハグロドリ」と「ハクロトリ」は、どちらが羽が黒いでしょう?
10秒でお答えください。
・・・・・・・・・・
羽が黒いのは「ハグロドリ」。なぜなら羽が黒いから「羽根と黒」がくっついて連濁を起こし「ハグロ」になった。そこにトリがくっついたので「ハグロドリ」
一方「ハクロトリ」は「黒い鳥」で「クロトリ」という名前が元々あった。それに何色かはわからないけれども「羽根」という言葉がくっついたので、それ以上の連濁は起こらない。したがって「はくろとり」。敢えて読み方を大げさにすると「羽 クロトリ」という感じでしょうか。

皆様、お楽しみいただけましたでしょうか。
語源大好きの西野真理は、これが楽しくてたまりません。

言葉こだわりついでに書いておきますと、算数がとっても苦手だったまりちゃんは、小学校の頃の単位計算もとても苦手でした。リットルをデシリットルに直すとか。
ところが大人になってデシリットルの「デシ」が「十分の一」という意味だと知った時、突然わかるようになったのです。あの時先生が
「デシリットルの『デシ』って十分の一の意味だよ」
って一言言ってくださればと今も思います。
いろいろなわかり方、様々なアプローチでものごとを捉える方法、捉える思考回路があるので、色々な人と関わる、様々な考えを認めるって大事ですね。


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