車上運動員体験(2023年4月17日、18日) 2023年4月24日(月)

 車上運動員体験(2023417日、18日)のお話です。

 <はじめに>

※このブログは本当は出来事当日にすぐアップしたかったのですが、諸事情がありそうで、ややこしくなると困るので、終了後のアップといたしました。

「車上運動員」そう、いわゆる「ウグイス嬢」
のことです。女性に対しては「ウグイス嬢」ですが男性には「カラスボーイ」という言葉もあるようです。しかし、実際に聞いたことはありません。現在女性の演者さんを「女優」とは言わず全員を「俳優」と呼ぶ流れですから今後「ウグイス嬢」という言葉は避けられていくのではないかという気がします。
ともかく、現時点ではその「ウグイス嬢」をやることになりました。
2つの陣営で。

この日が来るまで、公務員であった私は当然のように、このようなことに全く関わってこなかったのですが、晴れて退職した現在、なんでもできます。

それでも「2つの陣営で」というのは、何も知らない私でもなんとなく「節操のない感」はありますがご心配なく(?)。一つは市議会議員選挙、一つは町議会議員選挙。そしてどちらも私が選挙権を持っていない場所です。

そういう訳で、来るもの拒まず、楽しそうだからやってみました。

【金沢市議会議員選挙】

※こちらの陣営の文章に関してですが、問題はないのですが一応固有名詞は伏せます。このことを選挙期間中にブログに上げてよいか打診したところ

さんの拡散になるのでしてほしい気持ちはありますが、NGワードがありそうで、こちらのチェックが必要になるかも」

との返答だったので。

<打診>

128日、懐かしい方からお電話をいただきました。在職中組合関係でお世話になったさんから。つまりこれが候補者Sさんの車上運動員初打診日です。詳細は全く覚えていませんが、
「もちろんOK!」楽しそうですから。

39日、いよいよ本決まりになったようで、選挙管理委員会への届け出に必要な生年月日や住所などを聞かれました。

その後、1週間の選挙戦の間、どの日に活動できるかをお伝えし、2日間・半日ずつ参加の予定となりました。ところが

「総決起大会の司会者でどうか?」
ということで、車上運動員は1回となり、さらに、
「それよりも、別の機会に歌っていただきたい」
となって、その時点で1回減った分は別の方に依頼されていたため、結局1回となりました。

<事前準備>

前日になって息子から
「練習はしたの?」
「え?できるでしょう」
プロ意識のなさが露呈されています。
確かに言われてみれば練習は必要かもしれません。原稿はいただいているのだし。正直喋りは大丈夫だと思うのですが、やはりその道にはその道のルールがあるはず。そういうことを何も知らないのは怖いことですね。
そこで、YouTube検索してみると、ありましたありました。車上運動員向けのたくさんの動画が。その後その動画をずっと見続けました。
現場に行ってみてわかったことですが、この動画の内容が知識としてあったことはとても良かったと思います。あの動画の制作者さん、ありがとうございます。

<事務所へ 417日(月)曇 春としてはかなり寒め>

さあ、選挙運動当日です。

事務所は金沢大学へ行く途中の大通り沿いにある小さな建物でした。この場所を見つけるのも選挙関係者は相当ご苦労されるのでしょう。入りやすさ、駐車場、そしてやはり目立たなくてはいけない。そういう意味でもなかなか良い場所を見つけられたと思います。

小さな事務所の中に入ると、アットホームなムードで一人を除いて全員女性。壁にはたくさんの職場からの檄文。かわいい飾りやお花。電話をかけている人、事務仕事をしている人、笑顔でお茶を出してくださる人。いくら西野真理でも初めて行く場所ではそれなりに緊張しますが、そんなことも一気に吹き飛びました。

事務局の一人はかつての同僚の奥様で話も盛り上がり、すかさず次回美女コンのチラシをお渡しし事務所に置かせていただきました。

 

<同乗メンバー>

いよいよメンバー4人が揃いましたのでご紹介します。
・候補者さん
彼女の名前を連呼することになります。
元数学の先生。とっても感じがよく若々しい59歳。
  夕食の時に
「よくこのお話を引き受けられましたね」
と言ったところ
「何も知らなかったからよ。こんなことになるなんて・・・」
と、謙虚に答えていらっしゃいましたが、そういうことも含めて彼女は適任だったと思     います。
私のように「自分が楽しい」を最優先にする人間、いくら何も知らなくても絶対引き受     けませんから。
もう一つ。教員時代に私は組合関係で何度も彼女に会っていたのです。
「え!!!あのときの!?」
自分の記憶力の悪さ、このときばかりは反省しました。
 
・運転手Mさん
 Mさんの運転はとてもスムーズでストレスがなく、生涯に乗った車の中で一番乗り心地よく感じました。そこで夕飯のとき
「プロのドライバーさんですか?」
と聞いてみると
「自動車学校の先生しています」
なるほど!プロってすごい。
また、彼女は空手教室で先生もしていて、内灘中学校時代に教えた空手日本一になった生徒の先生でもあることがわかり、世間の狭さを感じました。
 
・カラスボーイ・Nさん
彼は何度も車上運動員を経験しているらしく、とてもお上手ですし積極的。コミュニケーション能力も高く、気が利いて、4人中ただ一人の男性でしたが、何の問題もなく楽しく過ごすことができました。
 
<いよいよマイク握ります!>
選挙事務所を出ました。
まずはNさんから。続いて西野真理。
はい、ベテランのフリしていきましょう!
YouTube動画、見ていてよかった。
大事なことを3つだけあげるとすれば
・結局、名前連呼
・後方の車に気をつけ、停車するときなど、先に行っていただく
・窓から手を降っている人など見つけたら、すぐに対応する
 
今回一番感じたのは手を振り返してくださる方のありがたさです。
皆さん、次に選挙カーをご覧になったら、支持していなくてもいいです、手を振ってあげてください。ものすごく嬉しいのです。
車から声を出し手を振っているとき、そもそもそんなに人は歩いていらっしゃいませんし、対向車の方も運転中ですから簡単には手を振ってはいただけません。そんなとき、こちらの呼びかけに反応してくださることがどんなに嬉しいか。
今後私は選挙カーには必ず手を振ります。
 
また今回回った場所には星稜大学・高校周辺も含まれていて、その前を通るときノリの良い高校生、時には中学生・大学生が手を振ってくれるのは選挙権のない若者ですけれど、とても嬉しく感じられました。手を振ってくれる彼らに対してつい元教員の西野真理が出てしまい
「ありがとう!18歳になった選挙に行ってね!」
なんて声をかけてしまいました。
幼稚園の子どもたちもたくさんバイバイしてくれました。ありがとう。
そういえば我が家では子どもたちが小さい頃、選挙カーの人のことを
「バイバイ仮面」
と呼んでいました。
声の出し方そのものはプロと言って差し支えないと思いますので、その点は合格だったでしょう。そして今回自分でも評価できるのは、あんなに声を出していたのに、喉が全く疲れなかったことです。訓練していてよかった。
 
<いこい>
夕食に立ち寄ったレストラン「いこい」。昭和感漂うこのお店、安心の味。・・・ん?・・・なんだか来たことがあるような・・・。初任の頃同僚に連れてきてもらったんじゃないかな・・・でもそうだとすれば35年以上前のはず・・・。帰りに思い切って聞いてみました。
「このお店、何年くらいやっていらっしゃるんですか?」
57年です」(←嬉しそう)
「相変わらず美味しいですね」
 
20時、活動修了時間です。
事務所に戻り皆さんとお別れしました。
このメンバー4人が揃うことは二度とないことでしょうが、楽しい半日でした。
 
<選挙結果>
さん4690票で2位当選!おめでとうございます。私のアナウンスで投票したって人が一人でもいてくださると嬉しいな。(「ないない」←お読みになっている方からのツッコミ予想)
お読みの方はさんがだれか、とっくにおわかりでしょうし、選挙が終わったのでもう書いてもいいのですが、ついでなのでこのままにしておきます。ネット検索してお確かめくださいね。
 
【津幡町議会議員選挙】
こちらについては候補者御本人から
18日からネットでも選挙流していいので、YouTubeやブログのネタに使っていただいて大丈夫です。動画撮影も有権者の顔が映らないようにしていただければご自由にしてください」
とのことでしたので、実名でいきます。でも、やはり周りの方はイニシャルで。
 
<候補者>
・池野翔吾さん
36歳(1986年生まれ)
・津幡町在住
・西野真理が津幡南中学校で担任した生徒
・農業ビジネスに従事(株式会社池野Labo取締役)
 
<打診>
今回の打診は候補者御本人からですので、まずは教え子である池野翔吾さんについて書いておきます。
 
私は彼を津幡南中学校時代に担任しました。人当たりがよく大らかで釣りが大好き。釣りのことを学校でも私は彼とよく話をしていたようで、今も彼が私に思い出として一番語るのは次のこと。
立志※の作文を書くとき、他の子は『親への感謝』とか『将来の夢』とか書くのに、先生俺に、『釣りが好きなんだから釣りのこと書きなさいよ』って言ったから、本気で釣りのこと書いたら、誰もそんな事書いてなかった」
「だって、その時の自分のこと書き残さなきゃつまらないでしょう。でもお陰で、今でもそのときのこと覚えてるでしょう?正解だったね」
※昔の元服の儀式が14歳で行われたことから、今も石川県に残る中学2年生に対して行われる式典
 
そんな津幡町在住の池野さん、卒業して20年も経つのに私を覚えていてくれて、昨年11月のコンサートご来場くださいました。それがきっかけで今年1月のコンサートにもご来場。
そして327日、次のようなメールをいただきました。
 
ちょっと報告があるのですが、
この度、津幡町町議会選挙に立候補する事になりました。
今回、議員さん達が大量退職されるようで、地域よりお声がかかりました。
 
それで、歌のレッスンというわけではないのですが(演説がわりに歌うのもありか)、発声や、話す時のトーン?女性を魅了するイケメンボイスの出し方をレッスンして欲しいのですが可能ですか?
 
もちろんOK
池野さんはとても良い声で発声や声の大きさには全く問題ないのですが、こうしてアドバイスを受けようという向上心が素晴らしいと思います。
 
その後42日、池野さんは私のレッスンに来てくれ、色々なお話で盛り上がり
 「選挙頑張ってね」
  と、彼の健闘を祈ってお別れしました。
あとは彼が頑張るだけ。
 
412日、池野さんからメールが来ました。
 
こんにちは
三寒四温で春らしい天気ですね。
河北潟では桜と交代で花大根の花が満開を迎えて土手が真っ白になっています。
さて、選挙が近づいてきましたが、ウグイス嬢が1人しか確保できておらず少々困っております。
選挙になるかならないか未だ微妙なのですが、18日から22日の間で、スポットで12日でも構わないので先生のお力をお借りできないでしょうか。
 
これも、もちろんOK。
こうして池野陣営での車上運動員が決まりました。
正直選挙にはならないだろうと予想していましたし、結論を書いてしまえば無投票で彼の当選は決まり、それでもとても楽しい日になりました。
 
418日(火) 池野選挙事務所>
びっくりするほどの昭和です。
ただの昭和ではなく、私が生まれるより前なんじゃないかと思うような昭和。ほぼ全員おそらく地元男性で、みんな知った者同士、遠慮なんて無し、楽しそうに気忙しく動いていらっしゃいます。
私有地なので自由なのですが、いまどきこれほどタバコを好き勝手に吸っている人たちを久しぶりに見ました。この男性たち、池野さんから見ればみんな「おじいちゃん」。女性は私と車上運動員のFさんと地元のKさんの3人だけ。
その「おじいちゃん」たちと池野さんは本当に上手にコミュニケーションを取っています。私には絶対無理。そういう意味でも池野さんは地元政治家に適任です。
 
この事務所、池野さんの敷地内にある車庫なのですが、うまく事務所っぽくしてあります。J民党の公認を受けているようで、その証書や党首のポスター、大臣のポスターなどびっしり貼られています。事務所の建物こそ車庫ですが、前日の組合関係事務所より明らかに大組織感があります。
 
関係者が揃い、出発の前に後援会長のKさんがご挨拶をされたのですが、このKさん、とても落ち着いた品のいい立派な方。私より5歳位年上かなと思ったら
55歳です」
!!!
「西野真理、落ち着いて、ちょっと見習いなさい!」
という言葉が聞こえそうですが、見習うと西野真理らしさが失われるのでこのままにしておきます。
 
<津幡町内巡り>
雨の中出発です。
車上運動員のFさん、若く美人で感じがよく、控えめではあるけれどしっかりして問題なし。色々彼女に教えてもらいながら津幡町内を回りました。
運転手さんは池野さんのお友達で、小松市の方。津幡町の地理は全くご存じないのに、スイスイ運転してくださいました。
津幡町はとても大きく、長く勤務していたのに知らないところばかりです。ちなみに津幡町には過去・国鉄時代に「国鉄の駅が5つもある町」として一部のマニアには知られてれていました。(津幡駅・中津幡駅・本津幡駅・能瀬駅・倶利伽羅駅)
また、「津幡町森林公園」は「本州で一番広い森林公園」で、遠足といえば必ずここでしたね。
・・・と、そんなことも懐かしみながらの楽しい活動になりました。
 
池野さんは36歳でもちろん津幡町議の中で最も若い議員さんとなります。
お天気も悪く外に出ていらっしゃる方は少なかったのですが、時々声をかけてくださる方はみんな池野さんの大ファンというか、「孫のように」思ってくださっている感じが伝わってきました。
 
17時 当選確定>
17時。定員以上の立候補者は現れず、無投票当選が確定しました。
おめでとう。
無投票であってもやはり当選って嬉しいものですね。
 
その後、地区の公民館に集まって報告会と万歳三唱。
 
<感動のお話>
後援会長・何かの代表者の方・池野さん、そして私にも
「先生なにか歌って」
と振ってくださったので、でも、ここは私も控えめに
「皆さんでご一緒に『ふるさと』を歌いましょう」
これはなかなか良かった気がします。そして
万歳三唱。
さらに、あの車庫で一番みんなからいじられていた、一番好き勝手言っていたおじいちゃんに、みなさんが
「なにか一言」
おじいちゃんはブツブツ言いつつも嬉しそうに前に出てきて
「津幡町の中で、太田や中条はとても発展してきた。でもこの潟端はどうも出遅れた感じがある。それは議員がこの地区から出てないからだ。亡くなったSさん(前議員さん)も『この地区から議員を出さなければだめだ』とよく言っていた。今回の選挙で誰か出てくれないかと声をかけてきたが、誰も出てくれなくて困っていた。そんな中、池野君が承諾してくれて本当にありがたかった。これから頑張ってほしい」
というようなことを、こういうのが
「心から」
というのの見本のように、朴訥に人間性たっぷりにお話になって、いい感じの感動でこの会は締めくくられました。そこでもう一度
万歳三唱。
 
こうして私の楽しい2日間の体験は終わりました。
 
<おまけ 車上運動員で大変だったこと・その他特筆すること>
1日目の車は窓が半分までしか開かず、手を出して振るのが大変
・振っている手の冷たいこと冷たいこと
・何の反応もないまま呼びかけを続けるって、結構辛い
・絶対一生通ることがなかったはずの路地まで入れたことも楽しかったし、玄関先をきれ    いにお花で飾っていらっしゃるのを見るのも楽しかった
2日目は雨で1日目よりさらに人と会えなかった
2日目の車のシートは私の背丈では低く、座布団を持ち込めばよかった
・津幡のどこかでキジを見た
・一番手を振ってくれるのは、高校生、外国人、小学生以下の子ども
 

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