私の住んでいる町内会ではコロナ禍以降おそらく3年ほど開催されていなかった秋季祭礼を再開することになりました。
何しろ彼が本町町会長ですから(このことについては本ブログの「本町町会長選出 その1 2022年10月17日」~いくつかお読みになると楽しいと思います)ここのところ色々と気忙しくなっています。
・祭の物品確認
・祭の物品調達
・祭に関する会合の開催(お祭そのものは祭礼委員会の担当)
そしていよいよ週明けには子どもたちを集めてお祭の練習が始まります。
そこで問題になったのが
「笛を教える人がいない」
ということでした。
3年開催されていないと、中学生は高校生に、高校生は社会人や大学生になっていて、その間がすっぽり抜けているのです。伝統を守ることがこんなに大変だということを61歳にもなって初めて実感しました。
少々話はズレますが、中学校でチェコの作曲家スメタナのことを教えているとき
「チェコっていう国はね、400年もチェコ語を話すことを禁じられていたのに、チェコ人は母国語を忘れず守り通したのよ」
と偉そうに生徒に話していましたが、たった3年でこんなことになるなんて、チェコの人たち本当にすごいです。
ただここで少し救いが。
おそらく今ではもう大人になっていらっしゃる、おそらく当時小学校4年生くらいの、おそらくピアノとソルフェージュを習っている、おそらく絶対音感に近いものを持っている、おそらく女の子(偏見 以降Aさんとしましょう)が採譜したと思われる、お祭の笛の手書き譜が存在していたのです。
それが祭礼委員長から彼のスマホに送られてきました。
早速楽譜をプリントアウトしアンデス25で弾いてみました。
「アンデス25」
にすぐ反応できるそこのあなた、素晴らしい。
これを持っている人はなかなかのマニア。お友達になりましょう。
↓
リコーダーの音色の鍵盤ハーモニカです。
お祭りの笛とよく似た音です。
楽譜通りに弾いてみたのですが、なんとなく私が耳にしたメロディーと違います。彼も首を傾げています。
そもそもこの楽譜の記譜法は相当間違っているのですが、そんなこと責めるどころか、これを採譜したAさん、立派です。記譜法を知らないのによくここまで工夫して書きましたね。あなたの伝えようとしていること、なんとなくわかりますよ。
ただこのAさんの致命的なミスは、絶対音感を頼りに
「ドのシャープがある」
ということで、
「ニ長調」
の楽譜にしてしまったことです。
ですから(ここからはちょっとごめんなさい。音楽のわかる人にしかわからない表現があります)この曲にはファのシャープは出てこないのにニ長調にしてしまうとファも半音上がってしまって、妙な事になったのです。
これを
「嬰ハ長調」
と考えると合ってますが、それはそれで少々ややこしくなります。
ドのシャープがわかった時点で
「ドのシャープ」
ではなく
「レのフラット」
と考えると
「変ニ長調」
となって、うまく行ったんですよ。
ドのシャープとレのフラットは同じ音なんですけどね。
でも、Aさん、よく頑張りました。私にはちゃんとわかりましたから大丈夫。
それに気づいてそういうふうに弾いてみると、彼も
「こんなだったかも知れない」
と言ってくれて、改めて記憶を頼りに(あんまり記憶もないですが)楽譜を作り始めました。幼い頃ソルフェージュのレッスンに通ったことが61歳になってこんな場面で役立つとは。
また、楽譜には笛の運指(指使い)も音符の下に番号で添えることにしました。
私はこの笛を吹いたことがないので、本当に1からのスタートです。
笛の会社に問い合わせれば運指表がいただけるのではないかと思い、購入店にお電話しましたが、コロナ後どこもお祭り再開でお店はとても忙しいらしく、相手にしていただけませんでした。
実はAさんは楽譜の下に指使いも書いてくれていたのですが、探り探り笛を吹いてみるとその指使いより簡単に同じ音が出ることもわかってきたので、そこは私なりに変えることにしました。私はリコーダーが天才的に得意なのですが、どうもこの楽器はうまく吹きこなせません。でも、お祭練習初日までに吹けるようになりたい!
この笛、私の予想では本来尺八とかフルートみたいに、音を出すことそのものがそれなりに難しい楽器だったに違いありませんが、リコーダーのように吹けばすぐに音が出るようにいつの頃か誰かがうまく改良(これを改悪という人もいるかも)してくださっています。
アンデス25で弾き、笛で吹き、彼に聞かせ、楽譜に書き起こし・・・短い曲たった3曲なのに2時間位かかってやっと一応楽譜になりました。
とりあえず完成して良かった!
この楽譜をちゃんとしておかないと、これから先これが元になってしまうので責任重大。
初回練習日8月28日に詳しい人に聞いていただいて、完全版を目指します。
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