これを書き始めたのは、帰りの高速バス車内、朝の5時22分。有磯海SA休憩のあと、間もなく富山駅というあたりから。もうこれ以上寝ていられないし、車内は暗くて訳詩もできないし・・・あっブログ書けばいい!というわけで始めました。
私が乗っているのは3列シートのバス。現在の体勢は、頭からショールを被り、スマホの灯りが周囲に漏れないよう気を付けています。・・・と、気を付けているうちにバスは富山駅到着。車内は点灯したので、ショール外します。富山駅を出たらまた被りましょう。
あら!隣の方が富山で下車。ショール被らなくてよさそうです。バスはこのあと高岡駅経由で金沢駅。到着予定時刻7時15分。
それでは6月23日から順を追ってのドキュメンタリーです。
<6月23日 スタートから予定変更>
何日か前のブログで「完璧な予定完成」と自慢していましたが、早くも崩れ去りました。
東京行きは宇ノ気駅から電車で金沢駅まで行くことからスタート予定でした。かほく市から金沢駅へは総合的にみて車と電車どっちもどっち。でも時間の確実性や、駐車場がいっぱいだったときのことを考え(実際2度ほどそれで冷や汗をかきました)、電車を選択。
東京行きは宇ノ気駅から電車で金沢駅まで行くことからスタート予定でした。かほく市から金沢駅へは総合的にみて車と電車どっちもどっち。でも時間の確実性や、駐車場がいっぱいだったときのことを考え(実際2度ほどそれで冷や汗をかきました)、電車を選択。
しかし23日、石川県全域の豪雨で七尾線は運休。夜になって一部復旧したものの、翌日は間引き運転が決定。仕方ありません。金沢駅までは自分の車で行きましょう。
おっと、お天気を確認しておきましょう。・・・東京は35℃予想。予定していた服装も変更。
結局道路も駐車場もガラガラで30分の余裕で金沢駅へ到着。
<新幹線車内>
新幹線車内ではブラームスの訳詩1つとりあえず完成(月の光)。いつものことですが実際に声に出してみると結構変更が必要になりますが。
(結局ここから先のブログは自宅で書きました)
<上野公園>
池袋でピアニストの陽子ちゃんと合わせをしてから、オペラ前に塚田先生のレッスンに伺うので、上野で下車。合わせの11時には1時間以上余裕があるので久しぶりに上野公園へ行ってみることにしました。
池袋でピアニストの陽子ちゃんと合わせをしてから、オペラ前に塚田先生のレッスンに伺うので、上野で下車。合わせの11時には1時間以上余裕があるので久しぶりに上野公園へ行ってみることにしました。
↓キャリーバックはたしかに危険
↓上野駅で福井県PR中、いいな~恐竜はインパクトがあって
私がいつも利用していた出口は「上野公園口」。東京芸大を受けた時(落ちた時)、奏楽堂日本歌曲コンクールに落ち続けた時、何度ここを歩いたことでしょう。
久しぶりの公園口はすっかり変わっていました。
改札を出てすぐ正面は東京文化会館だったのに、その位置がずれ正面は上野動物園に。しかも改札のすぐ前の道路に横断歩道があったのがなくなって(道路が潰されて?)そのまま公園に行けるようになっていました。これは素晴らしい。
奏楽堂まで行ってみましょう。
公園内もかなり変わっていました。カフェがができ、トイレも増え、過去にはホームレスの方のテントがあったのも一掃され、とてもきれいです。
でも奏楽堂はそのままで嬉しくなりました。
入ってみたかったけれど今日は休館日
掲示板が電子になり多くの言語に対応していました
<池袋>
西武百貨店の地下食品街でピスタチオアイスを食べました。
<合わせとお昼ご飯>
11時から2時間、スタジオフォルテで陽子ちゃんと真面目に練習。
11時から2時間、スタジオフォルテで陽子ちゃんと真面目に練習。
中野のイタリアンでパスタ。
<塚田先生レッスン>
シューマン作曲「リーダークライス作品24」を西野真理の訳でみていただきました。
シューマン作曲「リーダークライス作品24」を西野真理の訳でみていただきました。
先日は大阪で小林美智さんと同じく「詩人の恋」をみていただき大きな成果がありました(西野真理個人の感想です)。今回も同様。塚田先生やっぱりすごい。ドイツ語がわかって、ドイツ語で歌えて、日本歌曲はもちろん歌えて、しかもピアニスト。
私は塚田先生にこそドイツリートを日本語で歌ってほしいと本気で思っています。塚田先生は歌手名として高津佳を使っていらっしゃいますが、そうではなくて、塚田佳男として歌ってほしいのです。
そこで、レッスン後先生に真面目に言いました。
「先生、先生みたいな人こそ、私の訳でドイツリート歌ってほしいんです。私の訳で楽譜お送りします。何がいいですか?『ミルテの花』?『詩人の恋』?『リーダークライス作品39』?」
先生、それなりに乗り気に見えて
「リーダークライス作品39」
へえ~そうなんだ。「詩人の恋」かと思ってました。
そこで帰って早速お送りしようとしました。でも、ちょっと待った。これ、塚田先生にレッスン受けてからのほうがいい!これは小林美智さんといずれやりましょうということになったいるので、近日中に美智さんとご相談して、レッスン受けます。
先生と陽子ちゃんの3人でレッスン以上におしゃべりに花が咲き、美味しいお菓子とお茶もいただき・・・おっと、そろそろオペラに行かなくちゃ。
↓中野駅近くで見かけたバニラバス。時々全国放送で話題になっていたけれど、地方の人間にはなんのことだかわからなかったので見れてよかった。ところで何のバス?
<オペラ 仮面舞踏会>
関定子降板
マリア・カラスは世紀の大歌手であることは間違いないけれど、53歳で亡くなっていて、歌手として活躍していたのは51歳まで。あの美空ひばりも52歳で亡くなっています。
一方関定子は2024年現在78歳。60歳過ぎてオペラの主役をやっていることも相当珍しいのに、70過ぎてからなんて、毎年のように奇跡の積み重ね。
降板は当日発表でした。
しかし私は6月11日、すでに知っていました。
堀内さんからの電話と、関先生ご本人からのショートメールで。お二人共私が遠くからこのために来ることを知ってくださっていて、そのためのご配慮でした。
堀内さんとの長電話を終えたあと、流石に私もショックで、関先生にどう返信しようかと悩んでいたちょうどそこに息子が。そこでつい息子に
「ショックなことがあった・・・関先生が・・・」
すると間髪を入れず息子は
「死んだの?」
縁起でもないと思われる方も多いでしょうが、私はこの一言でとても元気になりました。
そうです。関先生は生きているのです。今回はちょっと大事とっただけ。
私はほぼそのまま返信しました。
「関先生 さきほど堀内さんから『地方からくるやつには教えといてやろう』とお電話を頂いたところです。電話の後キッチンにいたら息子が来たのでつい『ショックなことがあった・・・関先生が・・・』と言ったところ、『死んだの?』と言われ、あっ、死んだわけじゃなし、今回大事とっただけ!と急に元気を取り戻しました。先生のお言葉『やれる時、やれるようにやればいい』『登り口は色々ある』を思い出しています」
本番はそれはそれは上質で、文句なし。
少々贔屓目にお一人だけ紹介するとすれば、最後に上司を刺し殺すレナート役のバリトン清水良一さん。今回のシリアスなものからトゥーランドットではコミカルな役まで何でも来い。音程も正確、演技もうまい。なぜ贔屓するかといいますと、彼とは9月12日に音友ホールでご一緒することになっているから。こんな人と一緒のステージに立たせていただけるなんて幸せなことです。
関先生から「お友達に」と私の分を含めて4枚チケットを頂いていたので、私、娘、川崎の陽子さん(山口県時代の友人)、詩人の横山さんに。皆さん喜んでくださって良かった!
麻田さんともお会いでき(関定子のCD発売会社の社長さん)、西野真理のYouTube動画をお孫さんがみてくださっていると言っていただいて、別の意味で気分爆上がり!
~オペラ「仮面舞踏会」これ以上ない簡単な解説~
ヴェルディ作曲のオペラ
自分の奥さんが、自分の上司と浮気していると思い込んだ男が、上司を刺し殺す。上司が絶命する前に、それは勘違いだったとわかる。
(※今回関定子は奥さんアメーリア役の予定だった)
ところで代役はどうしたの?当然の疑問ですね。
5月に別団体が同じ演出家・大島尚志先生で仮面舞踏会を上演。そのアメーリア役の田島秀美さんに代役を依頼。こんな幸運なかなかありません。
<夜行バス>
バスタ新宿から出発。
新宿まではピアニストの陽子ちゃんと友人の陽子さんもご一緒。
バスタ新宿は新宿南口の目の前ですぐわかりました。
待合室に着くと、思ったよりもかなり多くの人でびっくり。
ここで、これから初めて利用される方へのご注意です。
行先ごと、ゲートがA、B、C、Dと示されています。私はDで、Dのドアのところへ行けばそこがすぐバスのりばだと思っていました。しかし、ゲートを出るとそこからが長い長い。みなさん、時間に余裕を持って待合室から移動してくださいね。
22:50発、富山・高岡・金沢・福井行のバスはほぼ満車のように思いました。
発車し注意説明が終わると間もなく車内は真っ暗。眠れなかったら訳詩でもしようかと思っていましたが絶対できません。窓も全面カーテンで遮られ景色も全く見ることができません。
お腹が空いたので(お夕飯を食べる時間がありませんでした)川崎の陽子さんから頂いたお菓子を夕飯代わりに食べ、翌朝も朝食代わりにお菓子を食べました。陽子さんありがとう。
今回の最大のミスは次のこと。
「ビーチボールを忘れた」
私はいわゆる「反り腰」で、椅子と体の間に隙間が空いて、長時間の椅子に耐えられません。ですから新幹線や飛行機に乗る時は子供用のビーチボールを持っていきます。収納は楽だし、椅子の状態に合わせて膨らまし方を変えるだけ間隔を調節できます。
今回はこれを忘れたせいで背中の痛いこと痛いこと。そのせいで何度も目を覚ましました。
<帰宅>
7:15金沢駅到着予定がかなり順調で7:00着。結果的に自分の車で金沢まで行って良かった、ということになりました。
また最近では現金を使うことが少なくなっていて、今回の東京でも現金は全く使いませんでした。
ただ一か所だけ絶対現金という場所があって、私はそのためにだけバッグに現金を入れていました。金沢駅の駐車場です。
さあ、駐車料金の支払いを・・・あれ?精算機変わってる!クレジット使えるようになってる!交通系ICカードも!
「ピッ」
現金使用一切無しで24時間が終わりました。
7:45自宅到着。
夜行バス:新宿から8時間55分。6000円(しかもホテルに泊まらなくていい)
新幹線 :東京駅から2時間半。14380円
夜行バスは間違いなく安いですし、ホテル代はいらないし、翌日が丸々使えます。着替えやお化粧品などの荷物がいらないのもとてもいい。ただし、私は10時からのFM生放送をしたあと11時から14時半まで爆睡していました。
<終わりに>
西野真理の24時間日記にお付き合いいただきありがとうございました。
関定子の今後の歌手活動と塚田佳男・日本語で歌うドイツリートが楽しみです。
2 件のコメント:
「仮面舞踏会」鑑賞のための東京旅行、深夜バス走行中にも拘わらず書かれた素速いリポート、
ありがとうございました。またお疲れ様でした。
関先生と西野さんのお蔭で、私も当日、紀尾井ホールで拝聴させていただきましたが、
出演された皆さん、どなたも粒選りの素晴らしい歌唱と演技。堪能させていただきました。
中でも、関先生のピンチヒッターを務められた田島秀美さん、関先生の穴を埋めるというのは
たいへんな重圧だったと思われますのに、プロとはかくあらまほし。いつでも、常に本番と
思われているような姿勢には頭が下がります。また、その教育的効果も、並みではない。
私はただ、関先生が全幕仮面を被ってしまわれたかのようなこの2時間あまりの時間、ずっと
その仮面の下を探るように、関先生の声と歌と仕草と没入で、もう一人のアメリアを、もう一つの
「仮面舞踏会」を聴いておりました。もちろん今の目の前のこの上演が、ある高さと緊張を維持して
くれていたからこそ、できたことですが。
それにしても、一人の歌い手が今この場にいないということが、逆にその歌い手の芸術家としての
存在を浮かび上がらせ、浮き彫りにするというのは、何というすごいことでしょうか。
東京ではあまりゆっくりとお話はできませんでしたが、帰りの中央線では同じ車両の人混みの遠くに
西野さんの緑の装いが見えていましたよ。新宿で降りた時も、南口のバスタの方へ消えてゆかれる
後ろ姿が。
西野さんと関先生に、改めてこころより御礼申し上げます。
sapporo1972様
月曜日は急なお誘いにも関わらずお出でいただきありがとうございました。
ブログにありましたように、私は関先生の降板を知っていました。しかし当日発表ということで、お伝えするのを控え、少々心苦しかったのは事実です。しかし、コメント欄にこのように書いてくださって、ほっといたしました。
sapporo1972さんもそうでしたか!私もずっと関先生の声をダブらせながら聞いていました。また、3曲ばかり自分で訳詩したアリアもありましたから、その詩を自分の頭の中で流しながら聞くのはとても楽しいことでした。
お帰りの時間、同じだったんですね。バスタ新宿、本当に大勢のお客様でびっくり。ちょっと疲れはしますが、寝ている間についてしまいますし、かなり節約にもなり、また宿泊の荷物も少なくて済んで、これは今後ありだなと思っています。
それではまたの機会がありましたら、お声掛けさせていただきますね。
西野真理
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