これだけでもう、オペラの世界です。
この「リベラオペラシリーズ」は簡素な舞台装置で字幕なしの原語上演。それでも出演者は一流というコンセプトを貫いて18回続けられています。
私はそのうち4作品しか拝見していませんが、できることなら全部見たかったと思います。
オペラは主役やきちんと名前のつけられた出演者が一人で有名な「アリア」と呼ばれる部分を歌ったり、その人たちが歌い合ったりするところが目立つのですが、オペラ全体として見るとき、楽しみなのは意外にコーラスやアンサンブルです。
オペラ内のコーラスやアンサンブルは、ママさんコーラスや合唱団とは違う迫力があり、また、これらの部分の全てがCDとして販売されているわけではないので、舞台鑑賞でしか味わえないと言ってもいいでしょう。
当然今回のこれらは素晴らしく、圧を感じるほどでした。
オペラ冒頭はフェルランド役・谷さんの落ち着いたバスの響きが心地よく、しかも、これからおこる悲劇も匂わせます。
マンリーコ役・土崎さんの美声、アズチェーナ役・城守さんの迫力、ルーナ伯爵役・清水さんの低音から高音までムラなく上品な歌声。
そして我が師・レオノーラ役・喜寿の関定子。
私ならその1曲だけで全力を使い果たしそうな有名アリア2曲に加えて、アンサンブルも高度なテクニックを使い続け、しかも歌えば歌うほど声に磨きがかかる感じ。途中2回は涙が出ました。
オーケストラは弦5本(バイオリン2・ビオラ1・チェロ1・コントラバス1)ピアノ、フルート、打楽器、たったこれだけなのに見事にオペラをつくりあげています。
最後にこれに触れないわけにはいきません。プロデューサーの堀内さん・80歳です。
表に出てくる方ではないので、関係者の方以外はおわかりにならないでしょうが、各種手続き、人選、会場抑え、練習会場手配、練習日程調整、連絡、お弁当の手配、プログラム手配・・・まだまだ数え切れない仕事を、ほぼ一人でやり続ける80歳って!
堀内さんは本当にオペラが好きで歌い手を大事に思ってくださっているのです。
この日オペラは終わりましたが、このあと堀内さんには事後処理が沢山あり、そしてもう来年に向かって動き始めていらっしゃるのかもしれません。
歌声を思い出し堀内さんを思い出ししているうちに、だんだん自分が恥ずかしくなって来ました。
さあ、ちゃんと練習しましょう!
とりあえず喜寿で歌っていることを目指して。
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