黒豆の思い出 2025年12月31日(水)

お正月が近づくとよみがえる、黒豆の思い出。
見返してみますと、ちゃんと紙媒体で販売していたエッセイに書いていましたので、文体を現在のブログに直して貼り付けます。
※18年前の出来ごとです















神のお告げ
2007年1月2日の朝6時20分、神のお告げがありました。
この神様、ちょっとせっかちで、お告げをまず脳にして下さればいいのに、直接私の右手にされたものだからちょっと焦りました。
私の右手からお重箱が放たれ、黒豆が床に!
神様はおっしゃったのです。
「床の水拭きをせよ」
と。 
そういえば最近私の水拭きは、クイックルワイパーウエットタイプを用い、立ったままの姿勢で行うものになっていました。神様は
「新年くらい日本の伝統文化に基づいた姿勢で床を拭くのだ」
とおっしゃりたかったのでしょう。少しは力を入れなければとれない汚れもあるでしょうから。

何しろ神のお告げなので、私はパジャマのまま直ちに、小さく切って袋に詰めてあった古タオルを水で濡らし固く絞り、床にかがみこんで水拭きに取り掛かりました。。
黒豆の汁は縁起物だからか、かなり広範囲にまで飛び散っており、ここにも神のお告げの偉大さを感じました。しかも神様は、一度やり始めるとしつこい私の性格をお見通しでいらっしゃいました。床にかがみこんでみると、年末の大掃除(毎年あんまりしないけど、今年はお天気がよかったので結構やりました)では気づかなかった隅々の汚れが見えてきたのです。そうなると私のしつこい性格にすっかり火がつき、
 ・換気口のカバー(各部屋に二つずつ)
 ・スリッパ立ての裏
 ・ロールスクリーンがくっ付いている部分と壁の間
 ・アコーディオンカーテンの上
 ・一枚だけ洗い忘れていたカーテン
 ・階段の縦の面
 ・パソコンのコード
などを一気に。
特に最初の換気口カバーは、この家に住み始めてから一度もそうじをしたことがなく、そもそもそれが壁から外れるのかどうかも知りませんでした。挑戦してみると意外に簡単にはずれましたが、その中はもちろん・・・・・・。
これを最近流行している「重曹」を溶かしたお湯につけてみると、汚れはみごとに浮き上がり感動しました。

 ココで話はちょっとずれますが、重曹のお話。
 重曹は、その説明書きによると
  ・茶渋落とし
  ・浴槽の水垢取り
  ・流し台周りのそうじ
  ・キッチンのにおい取り
  ・洗濯
  ・野菜のあく抜き
  ・肉にすり込むと柔らかく
  ・卵に入れるとふんわり
という、魔法の粉。
そこで私は
 「流し台がきれいになり、肉が柔らかくなるのなら!」
と、1ヶ月ほど前、とてもいいことを思いつきました。
「これで洗顔すれば、きっときれいになる!」
それを実行したその日、学校につくと直ちにそれを職員室で向かいの席に座っている理科教師のMちゃんに報告しました。すると彼女はマジな表情でこう言った。
「・・・・大丈夫?」
「え?」
「重曹は水酸化ナトリウムだから、あれ、目に入ったりすると危ないよ」
「え“~・・・でも、塩酸とか・・・なんか『酸』ってつくやつが危なそうなイメージあるけど・・・・」
「うん、生徒も結構そう思ってる。なんか、『硫酸はやけどする』みたいな知識だけはあるらしくて怖いと思ってるみたいだけど、本当は水酸化ナトリウムのほうが危ない。肉溶かすからね。私なんか、実験で使うとき水酸化ナトリウムにはとっても気をつけるよ。・・・・で、洗顔・・・して・・・・どうだった・・・・」
「なんか、しっとりしていい感じだったけど・・・・。洗面台にお湯入れてそれに溶かして使ったけど・・・・・」
 ・・・・・・・これを家に帰ってから、理系の息子にも話した。すると、Mちゃんはあんなに優しく言ってくれたのに、息子はMちゃんとほぼ同様の内容を怖い顔をしてこう言った。
「あれは強アルカリ性で目に入るとまずいよ。だいたいなんでまず人体実験するんだ。普通ネズミとかで試してからやるもんだ」
というわけで、みなさん、重曹で顔を洗わないほうがいいみたいです。

話を元に戻しましょう。
重曹ですっかりきれいになった換気口のカバーを元通り取り付け、掃除の間中着ていたパジャマを洗濯機に放り込んで、私の新年大掃除は4時間で終了しました。
お告げはもうしばらくいらないと思いました。
・・・・・が翌日夕方、またお告げがあっりました。今度はぶり大根。
 「神様、もうしばらくお告げは結構です!」


 
 

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西野真理の色々なお話

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