翔吾さんからのコンサート感想メール 2023年1月4日

昨日無事コンサートを終え、ダラダラしている気満々の翌日の今日の午後、お客様の一人で最初にコンサート来場のメール送信者で「ます」のリクエスト者である翔吾さんから感想のメールを頂きました。
そのメールがあんまり素敵だったので、私はすぐに
「歌わなければ」
という気になり、撮影準備に取り掛かり、YouTubeへのアップを終えました。そして次のようなメールを翔吾さんに返信しました。

あまりに素敵な文章・内容に驚きました。
釣りをしない私にとって、マスの生態やシューベルトの「マス」に登場するマスが
どんなものかなど、私一人でこのご返信を読むのはもったいない!
そこでご相談ですが、頂いたメール、私のブログにぜひとも転載させていただきたいのですがいかがでしょう?

そして、夜、快諾のご返信を頂いたので、早速こちらへ転載いたします。


昨日は楽しいコンサートに参加できて、新年らしい清々しい気持ちになりました。
リクエストした「マス」とても理解しやすい訳詩でおどろきました

年末、長野県の山奥へ、シューベルトのマスのモデルになったブラウントラウトを釣りに行ってきた事を思い出しながら聴きました。
ちょうど、歌詞のように水が澄みきって、風もなく水面は鏡のように穏やかでした。
こんな時、マスは外敵を警戒して本当に釣れないのです。
糸も丸見えなので、先生の訳のように糸をよけて泳いでいきます。
そんな中、釣れない事に痺れを切らした不届き者は(やってはいけないルールなのですが)雪を投げ込んだり、砂利を投げたりして水を波立たせ、マスの気をひいて、そこにルアーを落として釣ってしまうのです。

シューベルトが歌った世界観は、何百年経っても変わっていないのです。

日本の教科書に出てくるような和訳されたクラシックは、訳された時代が古く、今では使わない言葉が使われていたりして、子供たちが親しみを持てるはずがありません。賞味期限切れです。
先生のような皆が理解できる訳詞がこれから増えると良いなと思いました。

是非、シューベルトの「マス」YouTubeにあげてください。
釣り友達にシェアします。

翔吾さんは中学時代、(20年前の津幡南中学校での教え子です)特別音楽好きというわけではありませんでしたが、釣りという趣味とシューベルトがまさかの融合。おかげで私も私の知らなかった世界と音楽を結びつけていただくことができました。
これから「マス」を歌うときはこのお話をトークのネタにさせていただくこと間違いなしです。


詩 シューバルトSchubart 曲 シューベルトSchubert 
Die Forelle (ます 鱒 マス) 日本語詩・歌 西野真理(バリトン系ソプラノ) ピアノ 近藤陽子  2023年1月4日  ※姉妹チャンネル「日本歌曲の窓」

このもとの詩は4番まであり、4番には「お嬢さん、男には気をつけなさい」というようなオチとなっているのですが、シューベルトはそこには曲をつけませんでした。あくまでも「ます」として作曲したかったようなので、私の訳詩もそこでやめました。

<西野真理 訳詩>

川のほとりを歩きながら

僕は見つけた ますの姿

清い流れにその身を任せ

ますは泳ぐよ 矢のように早く

ますは泳ぐよ 矢のように早く

 

そこへ釣り人 釣り糸垂らす

ますは泳ぐよ 釣り糸すり抜け

透き通る川の中 ますは鮮やかに

僕は心で エールを送る

僕は心で エールを送る

 

しびれを切らした釣り人

川底をかき混ぜ 濁らせると

たちまちますは

釣り上げられてしまった

哀れなますを一人想う

哀れなますを一人想う

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