7年ぶりの病院ボランティア演奏 2023年11月24日(金)

7年ぶりに病院でのボランティア演奏に行ってきました。
こちらへ伺うことになったのは、20年近く前。私が石川県立音楽堂で子供向けのコンサートに出演したあと、それを聞いてくださった方から
「私が関係している病院でも歌ってもらえないだろうか」
というお手紙を頂いたのが始まりです。
この病院は筋ジストロフィーなど、自由に外出することが難しい方がたくさん入院していらっしゃるそうで、お手紙をくださった方の息子さんも筋ジストロフィーの患者さんであると書かれていました。

お手紙を頂いたあと
「なるべく早めに連絡をしてみよう」
と思いつつも行動に移していなかった時のこと。
関定子先生のレッスン帰りに高速道路から一般道に降りたとき、目の前にお手紙をくださった方の病院・医王病院を発見しました。
「あ、あのお手紙の方の病院だ!」
とすぐ病院へ向かいました。
その時そのお手紙は持っていなかったので、とりあえず病院へ入り事情を話しました。
「関係者はなんという方ですか?」
「あ~~~高橋?いや、・・・」
「高瀬さんですか?」
「そうです」

医王病院の方が高瀬さんに連絡を取ってくださると、高瀬さんはすぐに病院へ来てくださり、私はその日飛び入りでボランティア演奏をすることになりました。
新型コロナどころかセキュリティーも結構緩かった時代だからできたことです。
高瀬さんとはそれ依頼のお付き合いで、現在は美女コンへも来てくださっています。
一方私のボラアンティア活動といえば、セキュリティ、プライバシー、新型コロナにインフルエンザ、と、私のような
「突撃ボランティア」
スタイルはどんどん難しくなっていきました。

ですから今回は、高瀬さんとちゃんと打ち合わせをして病院にも許可を取っての訪問です。
病院の訪問スタイルはとんでもなく厳しくなっていて
・問診票に体温や連絡先を記入
・全員マスク着用(歌うときもマスク着用)
・1日20分まで
・歌うのは高瀬さんの病室だけ
 ※以前はたくさん人を集めてくださったり、色々な病室を回ったりしました
幸いドレスとティアラはOKです。

雨が降ったり止んだりする中病院へ向かうと、今まで見たことのないほどくっきりした虹が病院の前にかかっていました。
この日は高瀬さんの息子さん・ひろしさんのお誕生日の一日前。筋ジストロフィーの患者さんは呼吸する筋肉も弱くなっていくため、常に緊張感が漂っているそうなのですが、その中にあってひろしさんは54歳のお誕生日を迎えられるのです。
これは前例のない「奇跡」だということを帰りの廊下を歩きながら高瀬さんに教えていただきました。
また私の演奏中、ひろしさんの呼吸の異常を知らせるチャイムは一度もなりませんでした。このことも高瀬さんのお言葉を借りると
「奇跡」
だそうです。

さて、これまでのボランティア演奏は全部アカペラでした。
しかし今回は違います。
YouTubeのためにピアニストにお願いしたカラピアノを、ボランティアでも使わせていただけるようお願いしてあったからです。それをスマホに保存し、小さなスピーカーとブルートゥースで繋いで流すのです。アカペラもそれはそれでいいのですが、やはりピアノが入るとぐっと「音楽」という感じがします。
今回ご協力いただいたピアニストは、小林美智さん、奥田和さん、今川寿美さん。
カラピアノ使用のご報告が事後になってしまったのですが、皆さん私の訪問とピアノの使用をとても喜んでくださいました。
ピアニストの皆さん、本当にありがとう!

20分はあっという間に過ぎ、私は病院をあとにしました。

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