共感疲労(2024年1月9日のFM放送「Sing幾多郎」より) 2024年1月9日(火)

つい先ほど本日のFM生放送を終え帰ってきました。
その放送の内容を書きますので、読むより聞きたいと思われる方はYouTubeで「FMかほく 西野真理」と検索してご覧くださいませ。

<2024年1月9日のFMかほく生放送「Sing幾多郎」より>
皆さまこんにちは 2024年1月9日 FMかほく、Sing幾多郎のお時間です。この番組のパーソナリティは石川県かほく市在住の西野真理がお送りしております。
このたびの能登半島地震により、お亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された方、ご家族や関係者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
また、被災者の救済と被災地の復興支援のためにご尽力くださっている方々に、深く敬意を表します。

災害に見舞われたこの地域では、未だに厳しい状況が続いていますが、多くの方の温かいご支援と励ましのおかげで、少しずつ前進していると感じております。被災者の皆様、そして遠くから応援してくださっている皆様へ、心より感謝申し上げます。

今日の番組が、少しでも心の支えや情報の架け橋になれれば幸いです。

さて、冒頭でもお話した通り、甚大な被害をもたらした1月1日の地震、テレビの映像等様々の情報を見るにつけ、胸の締め付けられるような思いです。
情報を共有し、心を寄せることはとても大切ですが、その情報渦の中にいると、「共感疲労」を起こすということが言われています。
今日は、共感疲労についておはなしいたします。
この情報ソースは、ヤフーニュースの中から臨床心理士の石上友梨のお話に基づいています。

■共感疲労とは?

共感疲労は、他人の苦しみや悲しみに対する過度の共感によって引き起こされる心が疲労した状態のことです。つらい状況にいる人の苦しみや悲しみに共感するあまり、自分自身の心まで疲れてしまいます。

現在は、インターネットを通じて世界中の情報をリアルタイムで知ることができるため、様々な悲しいニュースに触れる機会が多くなります。そして再現なく情報が流れてくるため、情報の過剰な摂取により、心理的な負担が増大し、心のバランスを乱す可能性があります。

■共感疲労をしやすい人

感受性が強い人や、他者に気を使い、他者を優先しがちな人は共感疲労しやすいと考えられます。感受性が強いと、他者の気持ちや言動に敏感になり、他の人よりも多くのことを感じ取り、それを自分のことのように感じる場合があります。そして、自分よりも他者を優先するため、自分のセルフケアは二の次で他者の心配ばかりしてしまうでしょう。

■共感疲労を軽減するための対策  情報の制限

悲しいニュースや過度に刺激的なコンテンツを見る機会を減らすことで、心の負担を軽減することができます。
ニュースやSNSの使用時間や1日に見る回数を制限する、SNSでセンセーショナルな映像は制限をかけるなど、精神的な余裕を確保しましょう。
特に、「ながら見」を特に小さなお子様のいらっしゃるご家庭では制限してみましょう。

■■セルフケアの実践
日常生活において、適度な運動や良質で十分な睡眠、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。
また、趣味やストレス解消法に時間を割くことで、心をリフレッシュさせることができます。

■■境界線を意識する
自他の境界線としっかりと意識することも重要です。
自分の問題と他者の問題は分けて考え、その中で自分が他者に対して出来ることを考えてみましょう。自分自身の健康があってこそ、他者をサポートすることができることを忘れないようにしましょう。

■■サポートを得る
身近な人につらい気持ちを打ち明けてみましょう。自分一人で抱え込まず、周囲に相談することで軽減する場合があります。身近な人に話しづらい場合は、心理カウンセリングなど専門家に相談してみることもオススメです。

ここで今日の音楽です。
今日は震災後割と早い段階のテレビ放送で
「こういうときは『アンパンマンのマーチ』がいいそうですね」
とお話していらっしゃったのを聞き、早速録音して今日の放送でお送りすることにしました。その画像は1つ前のブログにありますので、ここにはピアノ伴奏を貼り付けます。






この曲は西野真理のYouTubeに歌唱動画とピアノ伴奏もアップしております。子どもさんが一緒にお歌いくださると嬉しいです。

さて、このような情報を得た私が具体的にしたことは、1月3日に予定していたコンサートを開催することでした。そこで前日にブログで「コンサートを西野真理自宅で開催します。申込締切は本日夕方6時」と告知しました。
当然のようにお申し込みはなかったので、自宅のレッスン室で開催し、その様子を録画してYouTube配信しようと思っていました。

ところが当日、1月3日の朝、いつもコンサートにご来場くださるTYさんから次のようなメールをいただきました。

朝から失礼いたします
今日のコンサートもう締め切りましたか…

この地震により、
実家の屋根瓦が落ち、
今日の雨に備え、昨日はブルーシートさがし。
川北のホームセンターでやっと手に入れ、
応急処置を夫と同級生のMくんにしてもらいました。
両親は、我が家へ来てもらい、
せまい断水中の家に大人4人静かにおります。

夫の実家は、あの志賀町で…
窓ガラスも壁も一気に崩れ落ちてしまい
住める状態ではないそうで…
義母、義兄、義弟は避難所にいます。

そんなこんなで、
途方に暮れたり、泣きたくなったり、
笑って話すなんてできない…
血圧があがってるのか、頭は痛くなるし、
もはや目眩なのか地震なのか、わからないくらいです

コンサート、ないんだろうな…
そう思って、先程ブログを見ました。
あら!ご自宅で!

こんなメンタルだからこそ、1時間だけでも
音楽に満たされていたい…

もし可能ならば、お伺いしてもいいかしら。
もちろん、当日なので…
無理はもうしません。
もしよろしければ…
ぜひともよろしくお願い申し上げます。

このメールで「有観客開催」が決定しました。
さらに、TYさんと1対1のコンサートを妄想していた時、いつも来てくださるTさんからもご来場のお電話。
そして開会10分ほど前には、以前老人会のボランティアコンサートにお声かけくださったOさんが、そして開会10分後には老人会の方がもうお二人。まさかの5人のお客様+母。
ご来場者のTさんは、私が断水で困っているだろうと、ポリタンク5本分の水までお持ちくださいました。しかし我が家の断水はその数時間前に解消されていたので、今も断水中のYさん宅へポリタンクごと貰われることになりました。

狭いレッスン室の中でしたが、私の作詞作曲した「防災の歌」の世界初演も含めて無事コンサートは終了しました。

その後TYさんからお礼のメールをいただきました。

今日はコンサート、
ありがとうございました!

歌声をききながら、気持ちに関係なく涙が出そうになったり、目をつむって美しい響きを感じるのに夢中になったり、静かに現実に起きてることを考えていたり、防災の歌を楽しく歌ったり。

いつものコンサートの時とは、いろいろ自分自身の感じ方が違う今回でしたが、私にとってこの時間は、心が自分のところに戻ってきて、おだやかな心でいられた貴重なひと時となりました!

このあとは様々な曲の感想を書いてくださっているのですが割愛いたしますが、一つそのまま読ませていただくとすれば、西野真理作詞作曲の「防災の歌」のことでしょうか。

それではその部分を続けます。
やはり「防災の歌」でしょう!
さすがです✨
考えられたメロディラインにコード進行。
あっという間に観客巻き込み型にできちゃう仕組みが最高!
防災のことを歌っているにも関わらず、防災!防災!と何度も言っているにも関わらず、思わず「防災」のことを忘れて、歌うことに夢中になっていた自分に笑ってしまいました…笑

元旦に起きた震度7の大地震。
まさに日本は災害大国ですね。
こんな時に、開催しないよねって思っていた第32回のコンサート
開催してくださり、ありがとうございました!

こんな時…
途方に暮れ、ふと涙があふれ、イライラとし、笑うに笑えない、
そんな時だからこそ、
24時間のうちの1時間だけでも、自分のために時間を使いたいと思ったのです。
この不安定な感情を、気分転換することによって、少しでもおだやかにしたかったのです。
不安な思いから、少しでも解放されたかったのです。

このコンサートのひと時、心満たされました♡
お水をたくさん分けていただいたり、感謝の気持ちでいっぱいです。

<美湾荘のお話>
そしてもう一つ、今回テレビを見ていて私がある意味最も心打たれたインタビューについてお話いたします。

TVニュースで和倉温泉「美湾荘」でのインタビューの様子です。

カメラに映し出された旅館の中はどこから手を付けていいのかわからないような大変な状況です。その中でインタビューを受ける男性も「自力で再建不可能なんじゃないか」と。
しかし、このあと男性は更にこう続けられました。
「北陸には安全の確認できる温泉地・観光地もございますし、そういったところにまで風評被害が及ぶことはあってほしくないと強く思っています」
ご自身がこれほどの被災者でありながら、旅行業界を思い、被災していない人には絶対に口にできないことをカメラの前で冷静にお話になる姿は、ここ数日の報道の中でも特に胸を打たれるものとなりました。

<リスナーさんから>
このブログを書いている時、FMかほくからリスナーさんからのメールが転送されていることに気づきました。

まりさん、1月9日の放送を今拝聴しています。
共感疲労についてのお話、とても参考になりました。
私は県外の在住です。
様々に情報が飛び交う中で、
自分にできることは何か、そしてそれが善意の押しつけになるのではないか、など、考えが行ったり来たりしてしまいます。
1/3のコンサートを開催されたお話、そして、アンパンマンの歌にとても勇気づけられました。
まりさんも、どうぞご自愛くださいませ

わたしの番組にはほとんどリクエストなどないので、とても嬉しく感じました。

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