羽田空港、JAL機と海上保安庁機炎上した事故の映像で思ったこと 2024年1月11日(木)

 2024年1月1日、能登半島地震が起こったその日、TVが地震映像で持ちきりのその2時間ほど後、TV画面に羽田空港で日本航空(JAL)機が海上保安庁機とぶつかり、炎上した事故のニュースが流れました。
TV画面を見ながらわけが分からなくなりました。

現在2024年1月11日(木)朝。
余震も少なくなったところでJAL機・海保機衝突事故の映像を見ながら思ったことを書いておこうと思います。
私が最も強烈な印象を受けたのは、映像よりも音声でした。
事故が起こり飛行機の窓から炎が見えるその状況の中で子どもの声が響きます。
小学校1~2年生の男の子?のように感じられるお利口そうなその声はそれほどトーンの高くない声でこう言います。
「はやくだしてください!はやくだしてください!あければいいじゃないですか!あけてください」


私はこの子のこの言葉が、機内の大人たちを少し冷静にしてくれたように思います。

ちょっと想像してみました。もし私がそこにいたら
「早くドア開けてよ!!何グズグズしてんのよ!!!」
と、最高の声の高さ、最高の音量、最高の機嫌の悪さで叫んだでしょう。
仮に叫ぶのを我慢できたとしても、心のなかでは間違いなくこう思っていたはずです。
そして、我慢の限界を超えそうなその時に、この子この声。
これを聞いてハッと我に返ります。
「あ!こんなこと言っちゃいけない。CAさんたちが最善の方法を乗客に指示しようとしてくださっているはず」
しかもこの子はとても丁寧な、お育ちの良さそうな言葉遣いで、「叫ぶ」の一歩手前といったテンションです。
もしこの子がこう言わなかったら、これを言ったのが大人だったら、口々に同じことを皆が叫び始めたでしょう。
この子のお陰で大人たちは理性を保て、CAさんの指示を聞く耳を持てたのではないでしょうか。
現場に居たわけでもない私が言えることでもないのですが、あまりにも印象的な音声だったので書いてみました。


2 件のコメント:

sapporo1972 さんのコメント...

その通りと思います。
子どもにはまだ生まれて間もなくの太陽からもらったような穢れない生命があるので、
それが大人達をも震撼させるのです。はっと目覚めさせるのです。母性や父性を
正気にさせるのです。「アンパンマンのマーチ」と同じことです。
それは理性や上下関係やバイアスとは何の関係もない、純粋な、単純な本能の発動です。

東北大震災の大川小学校のことが思い出されます。
上司の、校長、教頭の指示待ち。この上意下達的、忖度的、封建的意識構造。
あの時誰か「とにかくここから逃げて!上へ、高い所へ!」という子どもがいれば、側にいた
担任はハッと気づいたかも知れない。今回の「とにかく開けて!」叫んだ子どもと同じです。

今回はたまたま現場の判断で、何とか危機を乗り越えましたが、しばしの間は操縦室からの
機長からの指示待ちだったというではありませんか? しかし、これだけの胴体着陸。
回線の切れ、携帯通信で対応ということを瞬時に思いつけなければ、プロとは言えません。
また指示はなくとも、ドアを「開けなければ」ならないことは不動の真理ですから。

同じようなことが幾つもあります。例えば木造旧家屋に瓦屋根は絶対危険ということを阪神大震災
の時にあれ程痛感しているのに、禁止していない。地震多発地域なのに。山の裾、川の近くは
危険と言うことは台風や豪雨災害でも厭というほどわかっているのに、未だに国土交通省は認可を
出し続ける。ドローンは戦争だけのものではないのに、日本郵便もヤマト運輸も応用的に活用できない。
トラックの大量輸送とドローンの組み合わせ活用ができない。こうした時の優先順位、トリアージが
できていない。水→暖→食料→医薬→衛生→心理の保全…

海保と日航機の事故についても、操縦士と管制官の間の「こくご」の学習ができていない。会話になっていない。対話になっていない。出した言葉を確認・推敲していない。互いに言い放つのみで、フォローが
存在していない。全体が見えていない。年初の仕事に向けて帰京する旅客のことも大事だろう。新潟に向けて被災地支援に飛びたつことも重要だろう。みんな前を向いている。つんのめるくらいに。しかしそういう
時ほど魔がさす。逸る時ほど隙ができるから、日頃からの言葉の学習、話し合いの指導が大切である。
これは野口芳宏先生も大村はま先生も、必死になって教えてこられた“戦後”民主主義の国語教育であった
はずです。それが今回はまた、戦中の陸軍と海軍の会話不全のようなことをやらかしている。
そして子どもの鶴の一声で、ようやく目が覚めるという始末です。

西野真理(Sing幾多郎) さんのコメント...

sapporo1972さん

コメントありがとうございます。
sapporo1972さんの文章は理路整然としていながらも人間的で
わかり易くて、
「あ~私はこういう事も書きたかったのかもしれない」
と思わせていただきます。
「みんな前を向いている、つんのめるくらいに」
この言葉は今の状況を的確に表現してくださっています。

こうしてブログを書いている間も、石川県の上空は
いつもヘリコプターが飛んでいます。
被災地に入って下さる皆様、ありがとうございます。
今はお手伝いに行きたいという気持ちを我慢することも大事ですね。

西野真理の色々なお話

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このブログは 野口芳宏先生記念碑「師道の碑」除幕・祝賀パーティー 2024年11月23日(土) をお読みになってからどうぞ。 ↑そういうわけで、野口先生にもぜひ「お山の大将」をお歌いいただければいいなと思い、ピアノ伴奏をYouTubeにアップしてみました。いつも書いていますがピア...