幸田露伴「努力論」

※今日の内容は、「FMかほく Sing幾多郎 5月24日」でも喋っています。読むのが面倒な方はそちらをご覧くださいませ。
 


幸田露伴を読もうとされたことありますか?
そもそも「幸田露伴」って「切磋琢磨」「温故知新」みたいな四文字熟語みたいですよね。

なぜ突然幸田露伴かというと、最近YouTubeに読書チャンネルがあることを発見し、時々見ている中にそれがあったからです。
YouTubeの読書チャンネルで紹介される内容は圧倒的にいわゆる「自己啓発本」が多いのですがオリエンタルラジオの中田敦彦さんなどはトルストイや夏目漱石なども取り上げてくだっていて、読書量が圧倒的に少なくそもそも読んで理解することが難しい私には救いの神のような存在です。
ここで、世の中の知識人の皆様からは
「本は自分で読んでこそ」
という声が集中砲火のように浴びせられることは覚悟の上で書いています。
わかっているのですが、でも、知らないより知った方がいいし、もしこのYouTubeがなかったら私は一生幸田露伴の文章に触れることはなかったのです。
ではこれからご紹介しようとする「努力論」がどんな文章か1文だけご紹介すると

福を惜むといふことの重んずべきと同樣に、福を分つといふことも亦甚だ重んずべきことである。

こんな文体がずっと続くのです。
私には無理です。

努力論に移る前に私が幸田露伴に興味を持っている理由を少しご説明しますと、実は御本人ではなく、もともと露伴の2人の妹さんに興味があったのです。

上の、延(のぶ)はピアニスト・バイオリニスト。日本初の音楽留学生としてアメリカ・ボストン、オーストリアへ留学した人で、日本へ帰ってきて山田耕筰、滝廉太郎を教えました。
下の妹、幸(こう)もバイオリニスト。日本で二人目の音楽留学生としてドイツへ留学しています。また幸の孫の高木あきこは合唱曲「夏の日の贈り物」の作詞者です。

さていよいよ幸田露伴の「努力論」ですが、明治から大正に切り替わる頃にかかれた本で
す。これをYouTuberのアバタロー」さんが動画で
「報われない人生を終わらせる革新的名著」
として紹介してくださっていました。

アバタローさんが要約して解説してくださったものをさらに要約すると

・「他人の運命の分け前をもらう」他人の力を借りる事が大事
 ただし、自分への未練を捨てる
 借りる人は尊敬している人であること
 借りていることを忘れない
 基本ができていないうちは自分を空っぽにして人の力を借りるほうが近道
 
・どうしても自力でやりたい人へ
 自力での事故革新はとても困難である
 なぜなら、今まだの自分が良くないから新しい自分を作ろうというのに、その作ろうとす
 る本人が自分のままだから難しいのは当然

露伴自身は家の事情で学校を2度中途退学となりほぼ自力で自分の運命を切り開いて行った人
なのに、自力はやめなさいと言っているところが素晴らしいですね。

・人並みのセンスしかないのに一握りの天才のマネをするのは間違い。他人から基本を学び
 なさい
・どんなに好きなことでも努力は避けて通れない。どんなに好きでもやめたくなる瞬間は訪
 れる。純粋に好きという感情だけで大きな何かをなすことは実際の人生ではおこらない
・たまに恵まれた家柄や才能のある人もいるが、それは先代の努力や才能の体積

でも露伴は「努力だけで人生が報われる」とは言っていなくて、次の3つを述べています。
それが、「幸福三説」幸福を積み立てる3つの秘訣です。

惜福 出会った幸福をその場だけで使い果たしてしまわない、大事に使う
分福 他人に幸福を分け与える
植福 幸福の種を撒く、現在の文明の豊かさは全て先人たちの植福の歴史それを今の時代に
   食いつぶしてはいけない
 
幸福になる努めを諦めず、力強く生きてほしい。それが努力

読書をしない私ですが、これを知ることができてよかったと思います。
アバタローさんの動画見てみてください。



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