平沢進つながりでパーセルを歌う

 まさかの平沢進つながりでパーセルを歌うことになりました。
2本あります。
1本は西野真理訳詩のもの

もう1本は平沢進による日本語詩によるものです。

Cold song (King Arthur (opera)「アーサー王」より)

凍れる守護神のアリア「あなたは何の技を(What Power art thou)」 一般に「Cold song」と呼ばれる(バス歌手が歌う) 詩John Dryden 作曲 Henry Purcell  歌 西野真理(バリトン系ソプラノ)2022.5.10 伴奏 YouTubeから Lars Schwarze さんのパイプオルガン演奏をお借りいたしました。ありがとうございました。https://youtu.be/r1oMejwLGyQ ※以下の文章は「西野真理訳詩」「平沢進版」同じものです <解説> ヘンリー・パーセル(Henry Purcell)のオペラ 脚本はジョン・ドライデン(John Dryden) 私は今までパーセルの曲を一度も歌ったことがありませんし、歌おうと思ったこともありませんでした。パーセルの曲で知っているといえばブリテン作曲「パーセルの主題に寄る青少年のための管弦楽入門」のその、パーセルの主題としてだけです。 それが何故突然? 平沢進です。 先日から平沢作品を11曲YouTubeにアップし、これで一区切りと思っていたそんな時、YouTubeのコメント欄に「タービン17」さんから、私が返信した 「平沢作品はメタルの装飾をしたバロック」 という言葉に対してこんな書き込みがありました。 「そういえば平沢作品だとCOLD SONGという曲がちょうどバロック時代の楽曲のカバーらしいです!」 え?バロックのコピー?なにそれ。 興味本位に聴いてみるとなんて素敵な!!!!!!!! (ちょっとヴィヴァルディの四季より「冬」の1楽章と似てませんか?) これは歌うしかありません。日本語に訳して。 私に英語の発音は無理ですから。 訳詩は意外に早く出来上がり、撮影に入りました。 さて、西野真理訳詩版の撮影が終わると、急に「平沢版」も歌ってみたくなりました。やりましょう。 ・・・という経緯で、2つ同時に公開です。 <物語の簡単な解説・・・と言ってもよく知らないので、調べつつ書きます> パーセルの※セミオペラ「アーサー王」。(※私は見たことありません。演劇、音楽、歌からできていて、音楽なしの演劇の部分もあったりするようです。これを上演するとき、音楽の部分だけ取り出して上演されたりもするみたいです) アーサー王とブリトン人が、囚われの身となっている愛するエマーリンを、良い魔法使いマーリンの力を借りて、サクソン人とその王・オズワルドと彼に仕える悪い魔法使いオズモンドの手から救い出すという内容。 元となる伝説に、作家・ドライデンがエマーリンの救出劇を加味しているので、伝説の本筋からは離れているので注意が必要です。 その3幕に出てくる大地を守る精霊(守護霊、氷の妖精 など色々訳されている)が歌う場面。この精霊は凍土の中で眠っていたのですが、あたりが凍ってしまったのをなんとかしろと愛のキューピッドに起こされます。でもこの精霊は寝ていたかったので「お願いだからもう一回眠らせて」と懇願します。それがこの場面。すると「馬鹿なこと言わないでこの凍った大地をなんとかしなさい」と怒られます。ですから、この歌だけ聞いて、なんだか悲しいオペラだと思ったら間違いです。 ちなみにアーサー王は子供の頃読んだ「王様の剣」っていう、岩から剣を引き抜くあの子が大きくなった人です。 (アーサー王のすべての物語は複雑すぎて私にはさっぱりわかりません) ~パーセル~ Wikipediaより (英:Henry Purcell、1659年9月10日? - 1695年11月21日 36歳没) バロック時代におけるイングランドの作曲家。イタリアやフランスの影響を受けつつ独自の音楽を生み出した、最も優秀なイギリス人の作曲家の1人として知られている。 生涯に残した曲はおよそ800曲以上あるが、どれもエリザベス朝時代のイギリス音楽が持つ諸要素と彼が取り入れたイタリア・フランスの風が巧く融合し、自由奔放な彼独特の世界観を醸し出している。 ~ドライデン~Wikipediaより (John Dryden ユリウス暦1631年8月9日 - グレゴリオ暦1700年5月12日 69歳没) イングランドの詩人、文芸評論家、劇作家。王政復古時代のイングランド文学を支配し、その時代が「ドライデンの時代」として知られるほど影響力の大きい人物であった。 ドライデンはウェストミンスター寺院に埋葬されているが、ここにはヘンデルやニュートンも埋葬されていてもう墓地はいっぱいだそうです。 <英語による 元詩> What Power art thou, Who from below, Hast made me rise, Unwillingly and slow, From beds of everlasting snow! See'st thou not how stiff, And wondrous old, Far unfit to bear the bitter cold. I can scarcely move, Or draw my breath, I can scarcely move, Or draw my breath. Let me, let me, Let me, let me, Freeze again... Let me, let me, Freeze again to death! <西野真理訳詩> 私の眠りを誰が妨げるのか どのような力で私を 私はもう耐えられない 老いて動くことができない もう一度私を氷の下へと もう一度私を永遠に眠らせてくれ もう一度あの氷の下へ

2 件のコメント:

sapporo1972 さんのコメント...

パーセルの曲、なかなかいいですね。訳詩もどちらも幽玄な味があっていい。この作曲家は、ブリテンによって紹介された主題だけではなく、もっともっと紹介されて良い作曲家だと思います。
果敢な挑戦に、敬意を捧げます。

バリトン系ソプラノ西野真理のブログ さんのコメント...

sapporo1972さん、YouTubeもご覧いただきありがとうございます。音楽大学を出て今までパーセルを歌ったこともないとは情けないことですが、思いもよらない方向からこの曲を知ることができ、歌えたことに喜びを感じています。

西野真理の色々なお話

お山の大将ピアノ伴奏 2024年11月25日(月)

このブログは 野口芳宏先生記念碑「師道の碑」除幕・祝賀パーティー 2024年11月23日(土) をお読みになってからどうぞ。 ↑そういうわけで、野口先生にもぜひ「お山の大将」をお歌いいただければいいなと思い、ピアノ伴奏をYouTubeにアップしてみました。いつも書いていますがピア...