これは2003年5月ころ(40歳のころ)のお話を当時エッセイに書いたものです。エッセイ用なのでいつものブログと文体が違います。
7分番組の裏側
「石川県の歌オ-ディション」が縁で知り合ったのNHKプロデュ-サ-Aさんから「『ウイ-クエンド中部』という番組の『生き生き人間』というコーナーで、西野さんを取り上げたい」
とお誘いを受けた。
もちろん大喜びでOK!
ほんの7分ほどの番組と聞き、私はこう思った。
「ちょこちょこっと私にインタビュ-して、Aさんが上手にまとめて、映像は『石川県の歌』の時いっぱい撮ってあったはずだから、それ使ってうまく編集して仕上げるんだろう」
大間違いでした!
本当は日を追って書きたいところですが、驚いたことがたくさんあり過ぎて前後関係をよく覚えていないので、とにかく思いつくまま、個条書にします。「7分番組」ということを頭においてお読みください。
・学校取材、延べ3日。朝の登校風景を撮るために、私より早く学校にきている。
・1時間番組は1か月取材するそうだ。
・自宅カメラ付き取材2回。インタビュ-のみの訪問2回、それも夜、3時間ほど。
いつも帰りは10時過ぎ。
・カメラマンは800万円、10キログラムの機械を肩に担ぎ、100万円の三脚を持ち、
常に冷静に、しかも番組構成を頭に置き、どういう映像を撮っておけばよいかということ
を考えながら物静かに要求を出す。カメラマンは撮るだけだと思っていた。
・音声さんは、いつも不自然な格好で物音を立てず、周りの状況を静か見守っていて、音声
のことだけでなく映像のことにもちゃんと気を配って助言したりする
・とにかくカメラはを回りっぱなし。はじめは気になって仕方なかったけれど、だんだん
「どうでもいいや」
という気になる。生徒も同じ。
・NHKはベ-タビデオを使っている。映像がきれいだからだって。
・撮った映像は、使わなくても、どんな物でも永久保存される。
・コンク-ルでいただいた賞状をカメラで撮るのにものすごい時間をかけていた。
「動いている物を撮るより物体に近づいて撮る『接写』の方が難しい」とカメラマン。
意外。
・撮った映像と音声は局へ帰って見ながら、しゃべっている内容を全て文章におこす!
「え-、大変でしょう」
というとAさんは
「これ、たいしたこと無いです。私これ早いんですよ」
私は絶対したくない仕事だ。
・テレビは映像が勝負。私のコンク-ル映像がどうしても欲しくて、Aさんはコンク-ルを独占取材していた台東区のケ-ブルテレビと交渉し映像買い上げ。さすが、NHK。
・とっても有名な人を取材する場合も、たいてい謝礼は無し。私も大学教授も有名タレントも同じ!(なにか専門的なことについてコメントを出すことで収入を得ているような人の場合は払うこともあるらしい)
・最終段階の編集はAさん一人3畳ほどの編集部屋にこもり、2日間徹夜。今回そこまでして、ぎりぎり放送日に間に合わせたのに、放送日に誘拐事件が発生して時間が押し、私のコ-ナ-は次週持ち越し。
「6/8日朝7:45、見てね」
と宣伝しまくったのに、待っていて下さった皆様、ごめんなさい。
そして、Aさん、本当にお気の毒です・・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿