家を出る前に
「駐車場でエンジンをかけっぱなしで待つのもエコじゃないからエンジンを切るとして、そうすると寒いからひざ掛けでも持っていこうかな」
そこまで考えて閃きました
「湯たんぽがある!」
この湯たんぽ、大学1年生の寮生活の時買ったもの。つまり43年前の物。ちゃんとつかえるんですよ。
教員時代は職員室でのデスクワークや教室での保護者懇談会のときなど、椅子と腰の間に挟んで暖をとっていました。
今日はそれを人生初、車のシートで使おうというわけです。
車に乗り込むとき、シートに置いてみました。
なんていい気持ち!
どうして今まで思いつかなかったのか、もったいないことをしました。
駐車場の車内、スマホでブログを書いている今このときも本当に心地よく暖めてくれています。
この湯たんぽに関しては20年ほど前にも文章を書いているので、家に帰ったら、さらに以下に付け加えますね。
ここまででお読みの方、また後で開いてみてください。
<湯たんぽ24年の驚愕>
※この文章は2006年、43歳頃、金沢市立北鳴中学校勤務時代のものです
「美女エッセイ PART6」掲載として出版したもので、ブログとは文体が違います
冬の学校は寒い。
始業時間である8:10になると全室に暖房が入るのだが、それ以前は寒い。普通教室の2倍ほどの広さに小さなストーブが2台。
暖房が入る時間になっても、授業のある先生はみんな出て行ってしまい、デスクワークのため職員室にいるのは数名。部屋全体はなんとなく暖かいが、足腰は冷える。
寒がりの私は今までコートを着るなどしてしのいできたが、ある日ふとその存在を思い出した。
「湯たんぽ使おう!」
それは24年前。大学1年生のとき、私は寮生活をしていた。
寮はそれなりに快適だったが、当時から寒がりだった私は、寝るときの足の冷たさに困っていた。そしてそれは私だけではなかったのだ。
そんな一人がある日、
「薬局に赤ちゃん用の湯たんぽ売ってたから買ってきたの。これ、とってもいいよ~!」
その湯たんぽはプラスチック製で、全体がピンク、上半分が白いカバーで覆われたとてもかわいらしいもので、私の抱いていた
「銀色の波々」
というイメージをすっかり払拭してくれた。
その噂を聞きつけた寮生に静かな湯たんぽブームが起こり、私もすぐに購入した。
寮を出、大学を卒業し、結婚し、家を引越し・・・・と住む場所はどんどん変わり、湯たんぽを使うこともなくなっていたが、汚れも壊れもしない湯たんぽを捨てるに忍びなく、それから24年間私はずっと所持し続けていた。それが教員生活20年目に再び日の目を見ることになったというわけだ。
職員室へ持ち込んだ私は早速お湯を入れ腰に当ててみた。
「あったか~い!!!!!」
もうこれなしでは生きていけないというほどの心地よさだ。なぜもっと早く気づかなかったのだろう。
感激がひと段落すると、冷えていそうな同僚に自慢を始めた。
隣に座っているまだ20代のゆりちゃん(現在も時々ブログに登場してくれています)が大変興味を示してくれたので、うれしくなった私は、彼女より先に帰るとき
「今日、私もう帰るから、よかったらまだこれ暖かいし使って」
と、湯たんぽを貸し出した。
これでゆりちゃんはすっかり湯たんぽファンになってしまいついに
「私も買います」
と宣言した。
数日後、携帯にメールが入った。
「湯たんぽ買いました。明日持って行きますから楽しみにしてください」
あれから24年。どんなに進化しているんだろう!翌日私はわくわくしながら出勤した。
ゆりちゃんがバックから取り出した湯たんぽは、24年前の私のものと全く同じだった。色も形も。
「すごいね~、ずっと同じなんて」
「全く変えずにずっとこのまま作り続けたんですね、このメーカー」
「私のは『Made in Japan』だけど、ひょっとしてゆりちゃんの
『Made in China』になってたりしてね~ハハハハハ」
冗談半分に湯たんぽを裏返してみたゆりちゃんは驚きの声を上げた。
「なってる!」
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