ガーシーって? 2023年6月7日(水)

 ガーシーって?(東谷義和)2023年6月5日逮捕までのお話

<はじめに>

西野真理の勝手なイメージは

「『ガーシー(以下G容疑者・略してG容 と記載)』というなんだかチャラくて悪そうな人が、人の秘密をYouTubeで喋りまくって、それなのに国会議員になって、なのにドバイに逃げて、1度も会議に出なくて、国会議員をやめさせられて、結局逮捕された」

でも、何をした人なのか、実はちゃんと知りません。知らないのにマスコミの言葉だけを真に受けて、精神的にはいつの間にか一緒に批判する側に回っています。

これはダメなんじゃないか・・・という反省を何百回もしてきました。

反省のきっかけは、15年以上前の殺人事件です。

TV画面上明らかに悪そうに映し出される男性。殺されたその本人も問題を抱えている感じ。様々なメディアが
「こいつが犯人でなくて誰が犯人なんだ」
という口調で、私ももちろんそう思いました。
しかし結局、殺人犯はとっても善人そうな身内の叔父さんで、止むに止まれぬ事情で殺人に及んだ、というような事件でした。

それ以来、ニュースを見るたびに

「この人が犯人ではないかもしれない」「別の理解があるかもしれない」
と思って見るようにしているつもりではいるのですが、これがなかなか難しくて、つい、報道どおりに受け取ってしまいます。
今回も当然、両面から考えようとは思ったのですが、G容の報道されるその容貌や話題の大きさからすっかり反省は忘れて
「悪いやつ」
扱いしていました。

今日は反省も込めて、大変よくまとめてくださっている中田敦彦さんのG容についてのYouTubeを時々西野真理の個人的感想等をはさみながら、要約して書き起こします。

<まずはG容の善悪両面の簡単なまとめ>

~善~
・政党助成金が6年間で12億円もあるってことを、何も知らない国民に知らせた
・国会に出なくてもできる質問は、それなりに提出していた
・問題になっているジャニーズ事務所性被害問題についてYouTubeを用いて当事者に話
を聞き発信したのはG容が初。それまでマスコミも国会も取り上げてこなかった

~悪~
・事情はともかく、個人の相当な秘密をYouTubeで拡散した
・国会議員になったのに、1度も議会に出なかった
 ※ただし、これについては思うことが2つあります。
  ~田中角栄~
  過去に田中角栄という国会議員さんがいらっしゃいましたが、この人も晩年病に倒
  れたままで当選し、議会には出席していらっしゃらないのでは?とこの報道の初期から
  思っていました。
      ここでお断りしておきますが、私は田中角栄さんを嫌いどころか恩義を感じています。
  なぜなら、角栄さんは50年以上前(?)に学校教員の給料を上げてくれた人だからで
  す。私の両親は教員で、そのことがなければ私は音楽大学へなど行けず、今こうしてい
  ないかもしれないからです。

  そこで・・・
   ☆GoogleBardに聞いてみました☆
    田中角栄は、1972年から1974年まで第61代内閣総理大臣を務めました。1974
    年に辞任した後も、衆議院議員として活動を続けました。しかし、1983年にロッ
    キード事件で逮捕されたため、国会の議会にはほとんど出席することができませ
    んでした。逮捕から1993年に死去するまで、国会の議会に出席した回数はわずか
    18回でした。
    田中角栄は、晩年には病気で入退院を繰り返していたため、国会の議会に出席する
    ことが困難でした。また、ロッキード事件で逮捕されたため、国会での活動が制限
    されていました。そのため、田中角栄は、晩年には国会の議会にほとんど出席する
    ことができませんでした。

   ~出席しなくても活動できる道~
   世の中には難病を抱えたかたもたくさんいらっしゃって、そのような方が国会議員の
   職を得、議会に出席しなくても国会で発言できる方法があるというのは良い事なので
   はないでしょうか

<中田敦彦YouTube大学とその出典>
中田敦彦 YouTube大学より
 講談社 「悪党 潜入300日 ドバイ・ガーシー一味」 伊藤喜之 著
  ※伊藤喜之:朝日新聞社でガーシーの取材をしていた記者。その密着取材の内容を朝
   日新聞に掲載することを止められたため新聞社をやめ、フリーランスになって出し
   た本。

<出生から上京まで>
1971年兵庫県伊丹市生まれ。
G容の父親は高校教師だったが、定時制高校勤務になった時代、昼間にパチンコへ行き始めたことからパチンコ依存症になり、闇金に手を出した。借金が膨らみ父親が勤務する学校へも取り立て屋が来たりしたため父親は職を追われ、自殺。

G容は阪南大学を卒業後ダイハツに入社。営業の才はあったが、教えられた売り方と違うと怒られたため、会社をやめ、自分で車のディ-ラーを始める。
車販売とイベントを組み合わせた売り方で大人気になり大成功。収入も莫大になったが、その収入をキャバクラと闇カジノで使い果たす(約2億)。ただしG容自身は、自身の生まれ育った環境がハードボイルドだったため、自分が特殊だという感覚はなかった。

G容は再起を図り、再度車販売を始める。
今度は走り屋向けの車を作り、これが評判になり成功し儲かる。その頃知り合ったのがロンドンブーツの田村淳さん(当時22歳・G容24歳)や島田紳助さん。
羽振りがよく、芸能人の知り合いも増え、可愛い女の子を連れて行くとお金をくれるような人がいたバブリーな時代でもあったことで、またまた儲かる。
田村淳さんに上京を進められ上京。
1年ほど田村淳さんと同居していた。

<上京から>
上京すると芸能界の友人もますます増加。
そんな時、羽賀研二さんの「BiKiNi」というTV番組があった。その番組の女の子にG容と友達がその殆どに手を出した。それに怒ったある芸能事務所社長から
「東京を出ていけ」
と言われ一旦大阪へ帰るがまた東京へ戻る。

東京へ戻るとお笑いコンビのアメリカザリガニの平井さんと共同経営でバーを開く。これも評判がよく全国に店舗を拡大。

ちょっと横道にそれ、西野真理の思い出を語ります。
この「アメリカザリガニ」さんというコンビ、私は高く評価しています。と言ってもたった1度TVで拝見しただけなのですが。
アメリカザリガニさんのTV出演を拝見したのは、なにかのコンクールで上位に入った時のこと。深夜まで少々の興奮で眠れずにいた時、なんとなくホテルでTVをつけたままにしていると「ノンストップ1時間」という番組が始まりました。1時間途中CMなど一切はさまず1つのコンビが喋り続けるというのです。これをまさか1時間見続けるとは思いませんでしたが、このトークがとてもレベルが高く、私は結局1時間見続けてしまいました。そのお笑いコンビが「アメリカザリガニ」でした。

話を戻します。
その1店舗、西麻布店に俳優やミュージシャンが多く集まりさらに人脈が拡大。
そんな中2017年にG容は芸能事務所「everfree」を作り、更にはアパレルブランド「QALB(カルブ)」も立ち上げる。G容はもともと漫画家に憧れていたこともあって、服のデザインも自分でしていた。
バーとアパレルの相乗効果でこれも大ヒット。アパレルの公式ブランドは新田真剣佑(あらたまっけんゆう)さん、山田孝之さん。2019年にはガールズアワードにも出展。ガールズアワードの主催者は後に大揉めする楽天の三木谷さん。QALBステージの総合演出は山田孝之さん。
そんな芸能人に可愛い女の子を紹介するアテンドとして裏社会で大活躍し始める。なぜ芸能人から信頼されたかと言うと、
・G容はとても口が堅い
・芸能人と女の子がトラブルになったときはその仲裁を行う
・自分ではその女の子たちに絶対に手を出さない(自分が遊ぶのは東京以外)
アテンドの世界にはお金をもらって紹介する「プロアテンダー」というのもいるらしいが、G容の場合はお金がほしいと言うより「頼まれたら断れない」ということだったらしい。

<莫大な借金>
このように相当お金は儲けているのにそのすべてをギャンブル(バカラ賭博)に使ってしまう。でもまた戻ってきてまた稼いでまたギャンブルで溶かすの繰り返し。不死鳥と呼ばれていた。
しかしそうは言っても、2019年ころには莫大な借金を抱えるようになっていた。新田真剣佑さんから6000万円、それ以外も合わせると3億円の借金。

<詐欺疑惑>
借金が膨らんだG容は
「BTSに会わせてあげるよ詐欺疑惑」
と言われるような、スターに会わせてあげるとかキャスティングできるという話を持ちかけ、そのキャスティング料を先にもらって、結局キャスティングできないという事態が起こった。当然
「キャスティングできないなら返金してくれ」
と言われるができない。なぜならキャスティングはするつもりだったが、もらった端からギャンブルに使うという極度のギャンブル依存症に陥っていたから。

<ヒカルさんキャスティング事件>
「YouTuberのヒカルさんをキャスティングしてあげる」
という話を持ち込んだが、やはりそれもできなかった。
そのことで詐欺じゃないかという被害者からの苦情がヒカルさんの方へ持ち込まれた。
それを聞いたヒカルさんは正義感から
「これは告発しなきゃいけない、明らかに詐欺じゃないか」
ということになった。
ヒカルさんは被害者からの相談をYouTube動画で発信した。(この動画は削除済み)
これによってG容はとんでもない詐欺師だということになりG容は完全に生活が破綻し、それまでG容の周囲にいた芸能人の友達のほとんどすべてが音信不通になった。

<逃亡>
そんな時、G容に電話がかかってきた。
発信者の電話番号は「06」から始まっていて、特徴的な番号。しかも自分は東京にいるのになぜ大阪・・・G容は
「大阪の警察だ」
と直感的に理解し、その足で空港に向かった。
「ドバイへ行こう」
G容は空港でスマホからSIMカードを抜き位置情報が取られないようにした。

<ドバイの秋田さんのところへ>
秋田新太郎さんという昔のギャンブル仲間がそのときドバイにいた。
秋田さんは1985年生まれ。ネオヒルズ族の一人で太陽光発電で巨万の富を得て一躍有名になった。しかしその後の事業拡大で資金繰りが悪化。あるとき警察から
「銀行から不正融資を受けたのではないか」
ということで逮捕され、執行猶予付きの実刑。
この逮捕には納得がいかなかったらしく、海外へ行くことを決断。シンガポールでお寿司屋さんを経営、ドバイでレストランを開いて大成功。
G容の詐欺疑惑が出た時、いままで親しくしていた仲間だと思っていた人たちから秋田さんへ
「G容は終わったな」「いつかはそうなっると思っていた」
のような手のひらを返したメールがたくさん来た。秋田さんは同じ仲間内だった芸能人たちがG容に世話になっていたこともよく知っていたし、また、自身も納得行かない逮捕をされたことなども相まってG容に同情。
そんな秋田さんなので、みんなから連絡が来なくなった時
「大丈夫?」
と連絡をくれた。そして
「もしどうしようもなくなったら、ドバイにおいでよ」
と言ってくれていて、G容はそれを思い出した。
飛行機代は親戚に頼んで振り込んでもらった。
ドバイに着いたが、振り込んでもらったお金は飛行機代だけでなくなってしまい、空港から秋田さんの家までは2時間歩いて行った。

<示談に?>
G容は返金して示談にし、逮捕されないようにしようと考えていた。
とは言えBTSの件では6000万円は必要。
さすがにこのお金を秋田さんにお世話になろうとは思っていない。
じゃあどうする?

<暴露系YouTuberへ>
ここでYouTubeのアイデアが出てきた。
これを提案された時G容は
「いやだ」
と言ったらしい。そんなことをしたら二度と元に戻れないから。
そこで秋田さんは
「暴露しなかったら元に戻れるとでも言うのか?もう君と友達の関係は壊れてる。暴露してお金を稼いでそのお金で返金すればいいんじゃないか」
と提案。
そんなときG容の誕生日が近づいていた。
G容は
「もし誕生日に誰かから連絡が来たら暴露をやめよう」
と思っていたが、実際誕生日になってみると、ほとんど連絡が来なかった。
「本当に終わっていた。利用されていただけかもしれない」
そこで腹をくくり、暴露に向かった。
2月17日にドバイでYouTubeチャンネルを開設。タイトルは
「ヒカル 手のひら返ししたやつ 聞け!」
主役級の多くの俳優さんの秘密暴露によって、10万登録くらいに行けばいいなと思っていたら、4月7日には100万登録を突破した。

その時点でBTS被害者とは示談が済んだ。
なぜかと言うと麻生泰さん(美容外科・YouTuber・創価学会員)がYouTubeからのお金は振り込まれるまでにまだ時間がかかるので、示談金を建て替えてくれた。(この動画配信で1億円ほどの広告収入があったらしい)

<示談で終わりではなかった>
ここで終わりでも良かったのではないかと思われるのに、なぜその後の展開になるのか?
詐欺罪というのは「非親告罪」。被害者が被害届を出さなくても警察が捜査できる。だから、示談で済む場合もあればそうでないこともあるが、これがよくわからない。
G容は
「被害者の示談書を警察がまともに受け取る素振りがない。どうやら警察は被害者に電話して、示談書を出さないでくれと言っているようだ。被害届を受けて捜査をすることによって、G容のYouTubeチャンネルを潰したいから、と被害者から聞いた。おそらく暴露によって怒った芸能事務所が警察に圧力をかけているのではないか」
と言っている。
これはあくまでもG容の言葉で、真偽の程は定かではない。

<NHK党・立花さんからの打診>
NHK党の立花さんからG容に出馬の打診。
最初G容は断る。この立場で出馬したらものすごい反感を買うことはわかっている。
そこで立花さんは3つのメリットを持ち出して説得。

①G容に3億円あげます
 =理由=
  国会議員になると政党助成金が政党に入る。それには条件があって下のどちらかを満たせばいい
   1 国会議員5人を有する政治団体
   2 国会議員を有し、得票率が2%以上の政治団体
 
 立花さんは政党助成金についても不満を持っていて
 「数多く候補を立てた党が儲かる、つまりすごく強い党がお金を集めやすい仕組みになっている。新規参入がすごく厳しい選挙制度」
ということを国民に伝えたいと思っている。
そこで、政党助成金について物議を醸すために、最短効率で政党助成金をもらうために
は超インフルエンサーが一人選挙で受かれば政党助成金がもらえる。
なんと6年間で12億円。
だから票の見込めるG容が出れば受かるかり、政党助成金が12億円もらえる。その中から3億をあげましょう、ということ。

②不逮捕特権。国会議員は議会開設中は逮捕されない
G容は日本に帰りたがっているが、今このまま日本へ戻れば警察に逮捕されてしまう。国会議員になれば不逮捕特権が使える。
  
③影響力を取り戻す
YouTubeであんなに暴露したのに、マスコミは後追い報道をしなかった。YouTube登録者数も120万人で止まった。ここで国会議員になればもう一度話題になって、伝えたいことを伝えられる。

<出馬・当選・除名>
立花さんに説得されたG容は出馬を決めるが、出馬に当たってもっと大きいネタをということで出てきたのが、楽天・三木谷さんの暴露ネタ。G容は「M氏」と表現していたが、三木谷さん側がTwitterで反応したことによって三木谷さんじゃないかということになった。

・その暴露ネタの翌日6月30日、G容のTwitterが凍結される。
・7月10日、参議院選挙に当選。
・7月13日、YouTubeアカウントが全削除
・その後もう一度新しいチャンネルを作るが10時間後に削除
・G容は8月からはオンラインサロン「GASYLE」を作って暴露活動を続け、冬辺りにカウアン・オカモトさんと性被害告発の動画を作成
・2023年3月参議院議員除名処分

最初から除名ではなく懲罰(国会会議場で謝罪)が与えられた。
ところが日本に帰ると捕まるかもしれないのでそれはできない。不逮捕特権があるとは言え、いろんな理屈をつけられ逮捕される可能性はある。
そうこうしているうち、3月15日除名になり、これで逮捕特権がなくなった。
(過去除名者は2人いる。1950年と1951年)

除名翌日3月16日に逮捕状が出る。
詐欺罪ではなくYouTubeで暴露された俳優さんたちへの「常習的脅迫(おどし)」「威力業務妨害(仕事のじゃま)」。

しかし、海外にいるので逮捕できないので外国から帰ってこさせるために
①旅券(パスポート)返却命令(旅券を国に返しなさい)
②返さなければ一定期間(4月13日)後、旅券の効果無効になる
③旅券が無効になると外国に不法滞在していることになる
④外国で身柄を拘束される可能性が高まる
⑤身柄が拘束されると日本政府は引き渡してくれと申し出ることができる
G容は現在ドバイのゴールデンビザを持っている。これは一定の条件を満たすとくれるのだが、これがあると10年間滞在できる。しかし、旅券を失効するとどうなるかは曖昧。

<逮捕>
UAE・ドバイで食事に行くためG容が車に乗ったところを入管職員に連行される。事実上の強制送還。2023年6月5日。午後5時45分ころドバイから成田空港に到着した時点で逮捕。

以上、中田さんのYouTube動画に西野真理の感想なども交えながら書き起こしてみました。
間違いなどあるかもしれませんので、中田さんの動画そのものや、ネット検索等でお確かめくださいませ。

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