私には師匠と呼べる方が現在2人。(本当は3人と書きたかったのです。しかし、2024年元日そのお一人呉恵珠先生は天へ召されました)
まずオペラ歌手・関定子
(このブログに何度も書いてきたことをまた書きます)
関先生はご自身が天才的歌手であるのに、そうでない弟子達に、技術を適切な言葉で教えることができる、そういう意味においても天才です。
そんな先生ですから、私が「詩人の恋・西野真理訳詩版」のレッスンをお願いしたとき、まずは
「この弟子がこの訳詩で歌えるようにする」
ことを最優先したレッスンをしてくださいました。私の訳詩が完璧なはずはありません。それでも、その制約の下でこの弟子がなんとか最高の歌を歌えるように考えて、そのための技術をさずける。そんなレッスンです。
2023年11月に「詩人の恋・西野真理訳詩世界初演コンサート」を小林美智さんと開催することができたのは、関定子先生のレッスンがあったからです。
さて、そんな中、本当はコンサートまでに受けておきたかったレッスンがありました。それがもう一人の師匠・塚田佳男のレッスンです。
塚田先生のことはこのブログにあまり書いていなかったかもしれません。理由はこのブログを始めたのがコロナの時からで、ちょうど塚田先生のレッスンを全く受けることが出来ず話題が少なかったからです。
ではまず塚田佳男先生のご紹介から。
幼い頃は童謡歌手。しかし、訪れた変声。一週間泣き続けたそうです。
御本人はお嫌かもしれませんが、大人の声・塚田佳男も素晴らしく、東京芸術大学声楽科へ。
そこでまた、自分よりはるかに素晴らしい歌声の歌手の卵たちと出会い歌うことへの道を迷い始められます。
その一方、練習で歌手の卵たちにピアノ伴奏をしたところそれが絶賛されたことで、
「伴奏ピアニスト」
という道へ。
その修行のためにドイツへも留学。
ここまで塚田先生のことをご紹介すれば、私がなぜ塚田先生に「詩人の〜」を見ていただきたかったおわかりですね。
・日本の歌を歌え
・ドイツ語がわかり
・ドイツ語の歌を歌え
・伴奏ピアノを弾ける
これ以上の
「『詩人の恋』訳詩版教え手」
他に考えられません。
さてこのレッスンですが、コンサートでご一緒することになっている小林美智さんと一緒に受けておきたいというのが願いでした。残念ながら初演コンサートまでには叶いませんでしたが、この曲は一生物。次回コンサートのためにチャンスさえあればと狙っていたところへ美智さんからのご提案。もちろんすぐにレッスンに入れていただけるようお願いし、今日それが実現したのです。
レッスンは私の願い通り。
ドイツ語の発音やアクセント、音楽の流れや息継ぎと訳詩とのせめぎあいを先生になんとかして欲しい!
今回の大収穫は(全部ですが)
「アウフタクトに言葉を詰め込まない」
すみません、音楽関係者以外の方にはおわかりにならないと思いますが、説明は省きます。
これは現在一応訳し終えている他の作品にも言えることで、明日からこれを踏まえて訳詩を見直します。
最後に幸田露伴の「努力論」から。
「自分に力のない人は、他人の努力のおこぼれをいただきなさい」
私は今日、塚田先生の努力のおこぼれをたっぷり頂きました。
↓今日のレッスン会場
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