美女エッセイ「PART11」より2013年の作品です
猫の品格
猫切れをおこすことのあまりない我が家に、現在飼い猫のごとく存在しているのは、白黒ツートンカラーのオス猫「ツートン」である。
ツートンがはじめて家に来たころは、まだ別の猫・ナガがいて、ナガがどこかへ行ってしまったのを見計らって、うちの猫っぽくシフトしてきた。
ツートンは、あまり強くないというか、あっさり言えば弱虫猫で、他の猫も時々うちの周りをウロチョロするが、そんな猫がいると家に近づけない。
そのウロチョロ猫の1匹が、以前にも登場したことのあるメスの黒猫ウメである。
ウメは美人(猫)でスタイルもよく、おまけに賢く用心深く、そう簡単になつこうとはしないが、餌だけはちゃっかり食べて去っていく。
更にもう1匹のウロチョロ猫が、それはそれは汚くて大きなオス猫。あんまり汚くて名前をつけることすら躊躇していたら、いつの間にか「キタナ」と呼ぶようになっていた。キタナは汚いけれども、どうやら相当強いらしく、落ち着いた様子で近所を徘徊している。こちらに媚びることもなく、いつも悠然としている。
ツートンの場合、餌をもらおうとやってきた時、そこにウメがくると、
「あの猫がいるから餌に近づけません・・・・」
と悲しそうな目で私を見上げ訴える。
仕方なく私はウメに近づく。ウメはちょっと遠くに去る。ツートンは安心して餌を食べる。
また、ツートンが餌をもらおうとやってきた時、そこにキタナがくると、
「あの猫がいるから餌に近づけません・・・・」
と、やはり悲しそうな目で私を見上げ訴える。
仕方なく私はキタナに近づく。キタナは動じないので、ツートンを家に入れてやる。ツートンは安心して餌を食べる。
そんなある日、3匹同時にやってきた。
ツートンはいつものように私に訴えかけてどうにかしようとは思えなかったようだ。2匹もいるから。
ツートンはあっさり餌戦線から離脱。
残ったのはウメとキタナ。
普通に考えれば大きくて強いキタナの圧勝で、キタナが餌を食べ始めるはずである。
しかし、キタナは違った。
ウメの横に前足を揃えてきちんと座り、餌には全く手を(足を?)つけようとしない。
その様子を察したウメはキタナの横で餌を食べ始めた。
そのままウメはキタナの横で食べ続け、ウメが食べ終わると、キタナはその余りを食べて去っていった。
「キタナ、あんたは偉い!男は顔じゃないよね」
去っていくキタナに私は心の中で賛辞を送った。
キタナが去ってしばらくすると、どこからかツートンが現れ、私の顔を見上げ、餌をねだった。
「あの猫がいるから餌に近づけません・・・・」
と悲しそうな目で私を見上げ訴える。
仕方なく私はウメに近づく。ウメはちょっと遠くに去る。ツートンは安心して餌を食べる。
また、ツートンが餌をもらおうとやってきた時、そこにキタナがくると、
「あの猫がいるから餌に近づけません・・・・」
と、やはり悲しそうな目で私を見上げ訴える。
仕方なく私はキタナに近づく。キタナは動じないので、ツートンを家に入れてやる。ツートンは安心して餌を食べる。
ツートンはいつものように私に訴えかけてどうにかしようとは思えなかったようだ。2匹もいるから。
ツートンはあっさり餌戦線から離脱。
残ったのはウメとキタナ。
普通に考えれば大きくて強いキタナの圧勝で、キタナが餌を食べ始めるはずである。
ウメの横に前足を揃えてきちんと座り、餌には全く手を(足を?)つけようとしない。
その様子を察したウメはキタナの横で餌を食べ始めた。
そのままウメはキタナの横で食べ続け、ウメが食べ終わると、キタナはその余りを食べて去っていった。
「キタナ、あんたは偉い!男は顔じゃないよね」
去っていくキタナに私は心の中で賛辞を送った。
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