揚げパン 2022年2月5日

2022年2月5日土曜日。
この日の給食は揚げパンでした。
「土曜日なのに?」

この日は年度当初の計画で授業参観日と決定してはいたものの、新型コロナで休校や学級閉鎖が相次ぐ中(昨日石川県は400人を超えていたと思います)先生も生徒も
「授業参観中止にして普通にお休みでいいのに」
と当然思うわけです。
しかし、そうはいかないのが給食。
600人分ほどの食材をすでに発注済み。

一応「参観日」は中止になり「普通の授業日」となって、月曜日が代休。
その土曜日の給食が揚げパンでした。
メニューは
・コンソメジュリアン
・ペンネのトマトソース
・ツナ入りオムレツ
そして
・揚げパン

美味しそうでしょう!
本当に美味しいです。
多分高級ホテルと遜色が無いと思います。
高級ホテルに行ったことはないですが。
特に揚げパンは高級ホテルと同じかそれ以上でしょう。

さて、この3月で退職の私は3年4組の担任。
大変穏やかなクラスで特別悩みもないのですが唯一
「食が細い」
ことだけが贅沢な悩みといえば悩みです。
いつもかなりの量の給食が残ります。
学校全体で1週間の残量調査が何度かあって、その結果がお昼の放送で発表されるのですが、多くのクラスが
「残量0」
の中、3年4組は2桁違う残量が報告され、笑うしかないという状態。

私は先生になった当初から
「給食を無理やり食べさせる」
なんていう気が全く無く
「自分に適した量だけ食べればいい」
という考えで今日まで来ましたが、それでも残量に対する罪悪感は一応持っていました。
「調理師さんたちに申し訳ない」
津幡町は自校給食なので、学校にくっついて給食センターがあり、調理師さんたちとは顔なじみだから余計に。

「今日は私の人生最後の給食揚げパン」
そんなことを思いながら給食を食べはじめました。
欠席者もいるし、最初から半分でいいですという生徒には、半分にして渡したりしたのでパン箱には7個も揚げパンが残っています。
給食時間が残り8分ほどになり、早い生徒は食器を返し始めた頃
「今日最後の揚げパンだから、全部食べよう!」
とHさんが言い始めました。
そのうち女の子が顔を見合わせながら
「どうする?」
「1個は無理」
「半分ずつなら?」

そんな会話(と言っても黙食が推奨されている現在、活発な会話ではないですが)の中、なんとなく「食べなければ」というムードが広がってきて、女子生徒Kさんが1個、Sさんが1個つまり二人とも2個目。それを見た男子生徒Fさんも「じゃあ半部」その半分をTさん。という感じで食の連鎖(?)が始まりついに最後の1個もなくなりました。

いい思い出が出来ました。



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