カント「純粋理性批判」3 2022年2月4日

 NHK 「100de名著」

カント『純粋理性批判』書き起こし 要約版 3


<第3回 宇宙は無限か、有限か>

宇宙はどうやって出来たのか?人類が長きに渡っていだき続けたロマン。しかしカントによれば

「そのような問は考えても絶対に答えは出ない」

と言う。なぜそう言い切れるのか。

 

それを証明するために用いたのが「アンチノミーantinomy」。

「対立する2つの命題がともに証明できてしまい、どちらが正しいのか決着がつかない状態」

のこと。

 

カントが人間の理性について考えるのに用いたアンチノミーは4つ。

 ①宇宙は無限か?有限か?

  ②物質の最終要素は存在するか?

  ③自由の原因性はあるか?

  ④無条件で必然的な存在者はいるか?

人間は答えのでないことを話したがる。人間の理性には2つの関心があり

2つの関心の方向によって矛盾した考えが出てくる。

1つ目は「完全性を求める」。全部たどって完結して完璧だと言いたい。

2つ目は「真理を追求したい」。どんなことに対しても「それ本当?」と問い続ける権利を持ってる。問い続けたい人は無限説に傾く。

だから無限説・有限説は理性が持ってる2つの関心に由来する。

 

カントによれば、

「際限なく推論を重ねた結果、人は答えのない問を生み出してしまう」

という。それは魂や宇宙全体、神について議論すること。

人々は2000年以上もの間、哲学の重要なテーマとしてその答えを探し続けてきた。しかし、それらは人間の認識を超えた世界の話。だから答えは出ないのだ、とカントは古代ギリシャから受け継がれた哲学のあり方を一刀両断した。

カントは

「どうやって人が生きるか?」

生き方の問題の方で人間の理性の特質が発揮される、生き方の問題が大事なんだということの方に話をシフトしていく。

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