カント「純粋理性批判」4 2022年2月4日

 NHK 「100de名著」

カント『純粋理性批判』書き起こし 要約版 4


<第4回 自由と道徳を基礎づける>

「欲望の言いなりにならずに正しいかどうかを考えて行動する」

カントによればそれは

「道徳的に生きる」

ということ。言い換えれば

「私たち人間には自分を成長させることはなにか、また、他人の幸福に貢献することとは何かを考え、それを実行する自由がある。そうやって生きるのが最高の道徳的生き方だ」

カントは人間が認識し得ない客観的事実を「物自体」、感覚器官を通して得たものを「現象」と区別した。そして「自由」は「物自体」と同じように人間には認識できない世界にあるとした。さらにその世界を「叡智界」と名付けた。

「自由は実はこの叡智界に属している」

それがカントのたどり着いた結論。この結論こそが私たち人間がこの因果の世界で自由に行動できることを保証している。

 

欲望そのものにただ従うんじゃなくて、その行為が道徳的かどうか、人の幸福につながるか、自分の成長につながるか、この2点が大きいが、そこにつながると判定して、それでもって行為する時、非常に納得した人生を送れる。自分で自分の行為の正しさをはっきりと認識して生きる。こういうところに人間の自由がある。

 

カントが頭にあったことは

「人に貢献することの大事さ」

ということ。人の幸せにつながることをやって生きていくことの大事さ。、やっぱり喜びを味わって生きる。しかし、ちょっと道徳に偏っているという印象も否めない。

カントの考えに対してニーチェ(19世紀ドイツの哲学者)は

「どうかしてるよ」

みたいな悪口を言っている。

 

カントの墓地には

「頻繁に、そして長く熟考すればするほどに、ますます新たな驚きと畏敬の念を持って心を満たす2つのものがある。それは、我が頭上の星を散りばめた天空と、我が内なる道徳法則である」(『実践理性批判』より)

という言葉が刻まれている。

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