まさかこんなことになるとは…
津幡中学校では年度末に「白壁文集」という薄い文集が発行されます。これには生徒の学級紹介や卒業に向けた先生のからのメッセージの他、生徒の作文、受賞歴、絵画・工作・技術作品の写真等も掲載されます。
その掲載写真の一つが書き初め金賞作品。
各クラスから1点。1年生から3年生まで各学年5クラスですので全部で15作品です。
ちなみに「白壁」というのは、かつて津幡中学校の校舎の壁が白かったことからそう名付けられたと聞いたことがあります。
話は変わりますが、私は教員生活4年目ころから退職する今年までずっと担任をしてきたのですが、その間、毎年3学期始業式に提出する書き初めに生徒とともに作品を出してきました。
生徒が学年の欄に「3年」と書く部分には年齢を書きます。今年はお誕生日前の最後の50代「五十九」と書いて提出しました。
今年担任していた3年4組の金賞は有咲子(あさこ)ちゃんでした。なんと有咲子ちゃんは3年連続金賞で3年間この白璧文集に書き初め作品が載り続けたそうです。素晴らしいですね。
白壁文集は卒業式前日に生徒に配られます。
最後のHRで3年4組の生徒に配り、HRを終え職員室に帰ると、
「書き初めは西野先生のサプライズなんですか?」
とか、何人かの同僚から妙な声がかけられました。
「…何言ってるかわからないんだけど」
私が答えると
「え?!あれ、西野先生が出したんじゃないんですか?」
「なに?」
「白壁文集、3年生だけ6作品載ってると思ったら一つ西野先生のだったんですね(笑)」
「なに?!なんのこと」
私は慌てて白壁文集の書き初めページを開きました。
あ~!!!何ということでしょう!
私の書き初め作品が掲載されているではありませんか。
還暦初の赤面です。
そういえば2週間ほど前、変だなと思うことはあったのです。
職員室の机上に有咲子ちゃんの金賞ラベルの貼られた書き初めと私の書き初めが置いてあったのです。
「文集掲載のための作品が返ってきたんだ。有咲子ちゃんのは彼女のファイルに挟んであげよう。でも、どうして私の書き初めが今ここにあるのかな?」
不思議ではあるもののどうでもいい疑問だし、そんなことはすぐに忘れてしまいました。
それにしてもなぜ私の作品が文集に掲載されなければならないのでしょう。
ここからは私の想像でしかありません。
書き初めは始業式から数日学級の壁に全員のものが飾られ、その後返却されますが、金賞生徒のものは返さず、文集に載せるために担当の先生に渡します。
その掲示物をはずす時
「みんな自分で持って返ってね。でも、金賞の有咲子ちゃんのは文集に載せるからこの机の上に置いといて」
と生徒に頼みました。
その時、個人に返さないものの一つに私の書き初めもあり、それが有咲子ちゃんのものと一緒に折りたたんであったのではないでしょうか。
そんなこと全く気にしていない私は、それを担当の先生の机に置きました。
担当の先生は
「西野先生は今年で退職だし、文集のサプライズとして載せるつもりだな」
と思い、そのまま印刷業者さんに私のも渡し、文集に載りました。
この文集、事前に名前や記述に間違いがないか全職員でチェックします。もちろん私も見ました。でも、書き初めの写真ページなんて気にもしていませんでした。
チェックする人もないまま文集は本印刷に入り、こうして全員に配られました。
その後再度、職員室で西野作品掲載の話題になった時、なんと、チェック段階で気づいていた同僚がいたことが判明しました。隣の席の若くて優秀な鈴木先生です。彼は
「いや~西野先生のことですからなにかラストイヤーに思いがお有りなのかと思いまして」
言ってよ~~~~!
うん、でも退職記念の神様の思し召しだと思って素直に喜ぶとしましょう。
赤面しながら。
※作品名後ろの( )、「22年後の伏線回収」の元ネタは別ブログをどうぞ
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