最後の卒業式前前日の夕方、3年生担任は明日生徒に渡すものを確認しつつ、これが中学校最後となる通知表の準備を始めました。準備と言っても様々なデータはパソコンにインプット済みで、それをパソコン関係に堪能な北村さんや市山さんがプリントアウトして下さるのを待っているだけです。
さあいよいよ北村さんがプリントアウトを開始しました。すると
「あれ?」
いつも印刷するときには出ない黒い線が通知表に1本入っています。何度か試しましたが何度やっても同じ。
「きっと紙がいつものより厚いからですね」
学校には4台パソコン直結のプリンターがあり、近頃は専ら一番最近入った高速コピー機を使っています。速度が5倍以上だから。
当然私たちはこれを使ってぱっぱと印刷をし終えてしまう気でいましたが、どうやらこれは使えそうもありません。
そこで、以前からあるのんびりコピー機を試してみると、これなら不要な線は出ません。
「じゃあ、ゆっくりだけどこれで」
と、帰宅は21時を回ることを覚悟したところでさらに大変なことが!
「誰か、通知表用のケント紙、どこにあるか知らない?」
・・・だれも注文していなかったのです。
手元にあるのは人数ギリギリの枚数。
ちょうどそこへ学校出入りの文房具店のYさんが別の用事で来校。なんて運がいい。
「Yさん、この厚さ、このサイズのケント紙、お店に在庫ありませんか?」
「・・・」
ベテランのYさんが即答できないということは、そこにはないということ。
みんなそれぞれ知恵を出し合います。
「A量販店なら」
「大学前のBには結構マニアなものがある」
「P店に電話してみようか?」
そんなときの閃きだけは誰にも負けないのが西野真理。
「津幡南中学校に借りましょう」
津幡町には中学校が2校。津幡中と津幡南中。どちらの学校も同じサイズの通知表を出しているはず。津幡南中がもし購入済みなら、1・2年生の通知表を印刷するまでにはまだ間があるから、それまで貸してもらえるかもしれません。
津幡南中に電話。
「津幡中の西野真理です。もしA3ケント紙の予備があれば100枚お借りできませんか3年生の通知表を印刷しようとしたら購入していないことがわかってとっても困っています。1、2年生の通知表印刷までには必ずお返しします」
津幡南中学校は快く応じてくださり、私が借りに伺うと、教頭の廣谷さんがわざわざ玄関まで持ってきて渡してくださいました。
「困ったときはお互いさま」
のんびりコピー機でのんびりのんびり印刷し、卒業式前日、通知表を生徒に渡すことができました。
めでたしめでたし。
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