大冒険(美女エッセイPART9より) 2009年の作品

 美女エッセイPART9より(2009年の作品)

大冒険

富山県滑川へママさんコーラスを教えに行くことになった。

   美女エッセイファンの方は、西野真理が
「ママさんコーラスには手を出さない」
と決めていることは多分ご存知だろう。
どうしてもと頼まれたときも
「1回、これっきり」
という約束を取り付けてからという念の入れようである。
その西野真理が行くのだからよほどのわけがあると美女エッセイファンの方はお思いだろう。そのとおりです。
一言で言えば
「堀内さんからの指令」
があったから。
何度も書いて面倒なので堀内さんについてもう書かない・・・ちょっと書く。滑川出身、武蔵野音大ピアノ科卒業の、音楽雑誌「音楽の友」の元編集長。西野真理の大恩人。
堀内さんから電話で(たいてい電話)
「あのさあ、西野、今度の・・・・」
まで聞いたら、答えは
「はい」
と決まっている。
ウルトラ警備隊のようだ。
 
さて、その指令だが、要約すると
「12月7日(日)に『滑川市制55周年に歌う』というコンサートが開催される。出演は関定子(西野の師、説明割愛)青山恵子(セミナー等でお世話になっている先生、西野のエッセイを無償で宣伝してくださっている)竹澤嘉明(セミナー等でお世話になっている先生。嫌になっちゃうくらい美声のバリトン)堀野浩史(バス界、日本の宝)田中誠(紳士!って感じの洗練されたテノール。私は一方的に知っている。まともには今回初対面)。ピアノは塚田佳男(西野の師、説明割愛)。そのバックコーラスとして地元のママさんコーラスに出演していただく。その指導に行ってもらいたい」
ということだ。
 ※「説明割愛」の部分は、過去の美女エッセイシリーズを全てお読みになるとわかります。
 
いいなあ~このママさんコーラス。こんな豪華歌手たちと共演できて。
その指導となるとちょっと緊張する。
4回行くことになった。
 
初めての練習で、初めて声をお聴きした感想を言えば
「意外にうまい」
である。しかし・・・・地味!
はじめのうちはただ歌の指導をしていたが、休憩を挟んだあたりからむずむずし始めた。そしてついに言ってしまった。
「あの~、やはりこういう場にいらっしゃるときはいつもと違う・・・つまり、いつもよりおしゃれにして、家族の人から『コーラスに行く日はきれいだね』と言われるくらいでないと。特別なことしてるんですから」
ここまで言ったら、もう止まらない!
「・・・で、服ですけど、床と同じような色を着ないようにしないと。口紅もちゃんと塗って、ファンデーションももう一塗りするくらいでないと」
「床と同じ色着てると、猪と間違われて撃たれますよ」
「背筋を伸ばして、乳首を一番前にして立つって感じです」
「肩幅に足広げて立ってるのって、あんまりかっこよくないですよ。美しく立たないと」
「深く発音しすぎると『ババア声』になっちゃいますよ」
 
散々な失礼な言葉を皆さん笑顔で聞いてくださり、なんとその次の練習日には明るい色の服装で、口紅をつけ、足を肩幅に広げず立ってくださっているではないか!
人間、向上心は何歳になっても大事です。
 
あっ、このエッセイ、「大冒険」でしたね。
失礼しました。ここからが本題です。
初めて滑川へ行ったときのお話。
 
金沢森本インターを入り富山ICを過ぎ、さあそろそろ滑川ICだと思ったそのとき、目にとびこんできたのは「立山IC」の道路標識だった。
「あ~!ぼけっと運転してたから、滑川IC過ぎちゃった~(涙)」
逆算してちょうどいい時間につくようにしておいたのに・・・・・。
仕方がない。私は立山ICで高速を降り、富山方向へ向かう立山ICのゲートを入った。
ところがいつまで経っても「滑川」の標識はない。
そして・・・「富山」の標識が!
 
北陸の皆さんはとっくにお気づきだろうが
<正>              <西野の頭の中> ↑     ↑    ↑              ↑     ↑     ↑
富山   立山   滑川            富山    滑川   立山
 
 
仕方がない(涙)私は富山ICで降り、再度滑川方面に向かった。今度はちゃんと立山を通り過ぎた。
 
無事滑川ICを出て、向かうは滑川駅。ピアニストの池原さんを迎えに行くのだ。
池原さん発見。
彼女を乗せて、練習会場である滑川中学校へ向かった。
駅から5分もあればつく距離である。
地図で場所は確認済み。ただ、校地が広いので、4辺のどこが入り口かわかっていなかった。  
結論から言えば、進行方向から学校が見えた時点で左折すればすんなり学校へ入れたのだが、わからない私はそこを通り過ぎた。ちょっと走ると当然学校の敷地ではなくなるので
「ここで左折して、一周すればどこかに入り口あるよね~」
と気楽に池原さんとしゃべりながら、適当な道路を左折した。
ところが・・・・道路ではなかった。
もう引き返せない。この先は何かの工場だ。
ええい!曲がってみよう。さらに左折した。すると・・・工場の中の道路だ。ええいええい!GOGO!(汗)
工場の中を走りぬけ、無事公道に出たときの喜び。
 
いまどき、きっと防犯カメラが設置されてるだろうな~。
もし今日何か事件があったら、この車の映像がテレビで流されるんだろうな~。
 
幸いこの日、この工場は無事で、私の車がマスコミと警察に追われることはなかった。
大冒険の一日だった。

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