北鳴(ほくめい)中学校校歌
作詞 金子曽政 作曲 橋本祥路
歌・ピアノ 西野真理
北鳴(ほくめい)中学校には2003年から2006年まで(41歳~44歳)3年間勤務しました。
私は通勤時間(距離)には大変恵まれていて、ほとんどの勤務校が車で片道20分以内でした。最後に勤務した津幡中学校は片道10分、信号に全く引っかからなければ8分です。
長かったのは最初の岐山小学校と今回の北鳴中学校だけです。
岐山小学校のときはまだ車を運転していなかったので片道10分の自転車、30分の電車、その駅からまた10分の自転車。22歳でしたし自転車が大好きだったのでそこは全く問題なし。30分の空いた電車の車内では教員採用試験の勉強ができるしで却って得したくらいでした。
しかし北鳴中学校は、混雑する金沢市内へ向かうため、空いてさえいれば20分で着く距離が渋滞のため1時間弱。
ところがこれが私には幸いしました。
北鳴中学校1年目の5月、私は奏楽堂日本歌曲コンクールで2位になりましたが、これは通勤時間を利用した暗譜が功を奏したと言って良いでしょう。
本選で歌うことにしていた「鴉(からす)」は演奏時間15分。ひたすら歌って覚えるしかありませんが根気のない私がレッスン室にこもって暗譜のために歌い続けるのは無理があります。ところがこのどうしようもない車内の1時間は暗譜に最適でした。「鴉」を録音したものを聞きながら行きに4回帰りに3回歌うことで、暗譜にこぎつけることができました。
コンクール終了後も、コンサート曲の暗譜やちょうどその時間にやっていたラジオのフランス語講座を聞いたりして結構有意義に過ごしました。
でも、朝が早いことには変わりなく、渋滞も決して心地よくはありません。
そこに勤務2年目、幸運が訪れました。
道路の部分開通です。
現在そこは全線開通しているのですが、私が北鳴中に通っているときは僅かの部分しかできていなくて、そこがちょうど高速道路と接続する部分でした。渋滞はこの先から始まるのです。その接続道路からたった2分高速道路を使うだけで通勤時間が20分以上短縮されます。これを使わない手はありません。
そのころ、開通した僅かな部分だけを使う人はとても少なく、ETCもそれほど普及しておらず、しかもETCの利用拡大のために通勤時間帯の高速料金割引キャンペーンをやり始め、私が使う部分は150円。私は結構早くからETCを付けていたので、すぐにそれを使うことにしてその後は楽々通勤となりました。
ここでちょっとした転勤秘話。
津幡南中学校から北鳴中学校に転勤する時の内示を、私は校長から電話で聞きました。演奏旅行のため台湾に出発するときだったからです。(関空から出ました)
この日、イラン・イラク戦争が始まり、SARSという正体不明の伝染病も囁かれ始めていました。台湾から帰ってくると教育委員会から体調についてのアンケートが届いていました。
また、SARSのため私がチーフを務めることになっていた「北鳴中・日中交流事業」の計画が中止にり、仕事が相当楽になりました。
この時のSARSが今のコロナのようにならなくて本当に良かったと思います。
北鳴中学校では全校集会の校歌は学校長の方針で吹奏楽部が演奏することになり、私が全校集会で歌唱指導をすることはありませんでした。また合唱コンクールもなく私としては少々残念な3年間ではありました。でも、それに負ける西野真理ではありません。学校として合唱コンクールがないのならと、音楽の授業として「録画による合唱コンクール」を実施しました。
長くなりましたがここでやっと校歌です。
歌詞は港中学校と同じ金子曽政。元金沢大学学長、高分子化学の専門家。格調高い詩です。
作曲はあの!橋本祥路。合唱曲の大家。1948年生まれでご存命です。「夢の世界を」「時の旅人」「怪獣のバラード」でお馴染みですね。
さすがの名曲ですが難しい。
まず出だしが低いシのフラット。これは中学生にはきつい。
またラストの言葉が「ん」で高いミのフラット。これは西野真理にもきつい。
この曲を生徒に教えている時、
「あ!」
語源を知るのが大好きな西野真理の頭の隅にあるものが引っかかりました。
・北鳴中学校の音楽室の窓からはレンコン畑が見えます。
・理科授業で時々「ロート」という実験器具を使います。
・校歌の歌詞「~濁りに染まぬ蓮葉の意気~」
蓮・・・蓮の花・・・花が散ると三角形のジョウゴみたいになる・・・漏斗・・・
ロート・・・
「あ!『ロータスブルーメ』って歌がシューベルトにあったけど、これ『蓮の花』。ロートって器具、蓮の花が咲いた後に似てるからこんな名前になったんだ、きっと」
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