勤務校校歌シリーズ3 金沢市立港中学校 2022年3月19日




 港中学校校歌(石川県金沢市立)

作詞 金子曽政(かつまさ) 作曲 川崎祥悦  歌・ピアノ 西野真理(バリトン系ソプラノ) 2022.3.19※姉妹チャンネル「日本歌曲の窓」 港中学校には2016年4月から2019年3月まで(54歳~57歳)3年間勤務しました。 音楽室が職員室からとても遠くておまけに担任もして授業数も多いので、6時間空きなしの日が週1回ありました。そんな日は諦めて一日中音楽室と担任クラスの往復で終わっていました。

港中の3年間で一番つらかったのは給食集金担当業務です。
教員人生で一番つらかったかもしれません。
教員にはそれぞれ校内の「研究」だとか「生徒指導」だとか様々な校務分掌が割り当てられます。私が港中学校に赴任して最初の職員会議に出た時、私の分掌はとても軽めで
「あと6年で退職だから、こういう人には軽くしてくださるんだな」
と、気楽に構えていました。
ただそこに、見慣れぬ「給食担当」の文言も入っていました。
私がそれまで勤務した河北郡市での「給食担当」は
・給食委員会の指導
・エプロンの準備をしましょう
・給食はこの通路で取りに行きましょう
・配膳はこのような段取りで
等、主として生徒に関すること。
たまにあるのは、
・転出したり転入したりの生徒がいたときに、給食数の変更を給食センターへ伝える
程度でした。
ここでもそうだろうと思っていたら、その「給食担当」の業務の中に
給食集金
が入っていたのです。
河北郡市では給食センター側の業務であったことが、中学校教員に任されているのです。

集金等、経理に堪能な方には私のつらさは理解されにくいと思いますが、とにかくやらねばならないと判った時点で、教頭先生に聞くと
「誰にもわかりません!あれは大変です」
と、きっぱり。
「前の担当者のAさんに電話してみれば?」
と言われ電話すると、今にも泣き出さんばかりの声で
「私もわからないの!」
「・・・・・・・・・」
仕方なくAさんの残した書類を見ると、月ごとの数字がプリントアウトされたものの上に鉛筆でごちゃごちゃメモがされ、ある数字に線が引っ張ってあり
「これをどうするか」
と書いてありました。
どうしたんですか!

それからは毎月毎月集金業務が定期的に襲ってきました。
仕方なく私は集金計算方法をテンプレートにすることにしました。
ここまでお読みになった方は、一体何がそんなに大変なのかとお思いでしょう。
それではその一端をご紹介します。

・集金は一般集金と給食集金を一緒に集める
・その中から給食分が別口座に入る
・入ったものが生徒全員分で、全員同じ食べ方ならなんの問題もなし
しかし!
・口座引落が前提だが、口座引落されない生徒がいる
・口座引落されなかった生徒の中に、牛乳を取っている生徒と取っていない生徒が混じっている
 (牛乳取る取らないは自由なので)
・更にそのパターンの中に、市から補助の出ている生徒と出ていない生徒がいる
・前月分の未払い分を追加して払うが、その中にも上記のいくつものパターンが混在する

久しぶりにあのときのことを思い出しました。
実際はもっと複雑です。
冗談でもなんでもなく、給食集金日前後は暇さえあれば頭の中は給食集金のことばかり考えていました。

そんな2年目、文部科学省から次のような文書が出ました。
「教員の給食集金業務からの解放」
相当強いトーンのこの文章に私はバンザイと叫びたいほどでした。
全国に私と同じ思いをしている仲間がいるのです。
しかし、あれから改善されたとは聞いていません。
でもこれは給食集金に限りません。
ぜひ、集金業務全体から先生を解放してほしいです。

ちょっと嫌な話になってしまいましたのでもとに戻します。
港中はその名の通り金沢港のすぐ近くで、窓から外国からの豪華客船が見えてとても素敵でした。 また通勤は海沿いの道を走るのですが、朝、西側の海に虹がかかったのを見たときはとても感動しました。しかし!前方で2台の車が事故! 2台とも虹を見ていて前方不注意だったのでしょうか。みなさん、脇見運転には注意しましょう。 港中学校の校歌は私が最も影響を受けた曲の一つです。 この前奏の素晴らしさ、途中普通より少し長めの歌詞で緩みそうな部分を、そこを利用して情緒豊かに奏でられているところ。さすが川崎祥悦!ご存命です。  ※かわさき しょうえつ、1932年(昭和7年)9月29日 - )日本の作曲家。   青森県出身。東京藝術大学音楽部作曲科卒業。多くの合唱曲を作曲している。 これに影響を受けて、その後赴任した津幡中学校校歌の伴奏をアレンジしました。 さて、歌詞ですが、これも素敵です。 春夏秋冬の学校周辺の様子が大変美しく、知的に描かれています。 詩を書かれたのは元金沢大学の学長・金子曽政(かつまさ)さん。 高分子化学がご専門だったようですが、どんなご縁でこの方が詩をおかきになったのでしょうか。 1916年に誕生、2001年06月01日にお亡くなりになっています。福井県の方です。

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